黒坂岳央です。
筆者はちょくちょく家族旅行へ出かけるのだが、その都度感じることは「外国人観光客以上に外国人スタッフが増えた」ということだ。
それはリゾート地の5つ星ホテルのような高級ホテルでも状況は変わらない。これまで宿泊してきたホテルでは皆、外国人スタッフが流暢な日本語で丁寧なおもてなしで対応してくれた。
令和の日本は外国人観光客を外国人スタッフが対応する時代になったと言える。

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10年で3倍以上になった外国人スタッフ
日本人スタッフの不足を補う形で外国人スタッフが増えているが、彼らのサービスの質についてはどうなのか?
近年、日本への外国人観光客は急増している。2025年は2024年をさらに超えて、4,000万人台を超える見込みとなっており、コロナ禍前の2019年3,188万人を大きく超える数値だ。
一方、急増する外国人観光客に対応する日本人スタッフは依然として不足している。日本全体の労働人口減少と相まって、ホテルだけでなく観光地や飲食店などで深刻な影響を及ぼしているのだ。
この状況を受けて、多くの観光業界では外国人スタッフの採用を加速させている。厚生労働省のデータによると、2023年のデータでは日本の観光・宿泊・飲食業界に従事する外国人労働者は40万人を超え、10年前の2013年の約12万人から3倍以上の大幅増加となっている。
旅行先のどこへいってもほぼ、確実に外国人スタッフの姿を見るのは納得の行く話だ。知らぬ間にこれほどの規模で増えていたのである。
外国人スタッフの接客レベルはどうか?
筆者がこれまで宿泊したり、利用したホテル内レストランの外国人スタッフは総じて丁寧な対応で、日本人スタッフと本当に遜色ないと感じるレベルでおもてなしをしてくれた。
よく「外国人スタッフに期待値の高い日本人へのおもてなしなどできない」という意見があるがそんなことはない。食事を給仕してくれた外国人スタッフは1品1品、料理の説明をしてくれ質問にも即回答をしてくれた。ガサツさや粗さはまったく感じられず、静かでスマートな対応だ。
子供が食事中にうっかりスプーンを床に落としたら、食事のジャマをしないように笑顔でさっと静かに換えのスプーンを出してくれた。どのホテルやレストランへいっても外国人スタッフの教育はしっかり行き届いているように感じる。
外国人スタッフを雇うメリット
そしてこれは彼らを雇う経営者側にも次のようなメリットがある。
まずはなんといっても労働力不足の補填だ。日本人の若者が観光業に従事することを避ける傾向が強まり、企業が人材確保のために外国人労働者を積極的に採用しているのだ。
そしてなんといっても外国語対応の強化である。訪日観光客の多くが英語や中国語を話すため、これらの言語を話せる外国人スタッフの需要が高まっている。
今週泊まったホテルの外国人スタッフは、非常に流暢な日本語、英語、中国語で丁寧に接客をするので驚いてしまった。日本人でトリリンガルスタッフを採用するにはかなりハードルが高く、とてもこの人と同じ給与水準では雇うことはできない。
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我が国では観光業は自動車業界に次ぐ第2の輸出産業となった。そのことに「治安が悪くなる。貴重な労働力を労働集約型産業に使われるのが非合理」といった意見も見られるが、実際には外国人スタッフが増えたことで、訪日外国人をおもてなししている。
外国人スタッフの増加は、訪日観光客の増加を支える重要な要素となっている。今後もこの流れが続けば、観光業界において一定のプラス要因となるだろう。
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