言葉よりも「どう思いながら話したか」が大事…アメリカ人がコミュニケーションで重視してること
「いえ、そうではありません。なぜなら、アメリカでは、学生時代から『話し方』を体系的に学ぶからです。そして、アメリカの話し方では『マインド』が非常に重視されます」
コミュニケーションコーチの小林音子氏は言います。同氏の新刊『アメリカの中高生が学んでいる話し方の授業』から一部抜粋、編集してお届けします。
「どう思いながら話したか」が大事
前回記事でもお伝えしたように、アメリカのコミュニケーションのスクールでは「マインド」のマネジメントのトレーニングを大切にしています。
中でも私が驚いたのは、2人組での挨拶のトレーニングで、生徒がクラスメイトに挨拶の声をかけた後、講師が、
「挨拶をしたとき、あなたはどんなことを考えていましたか?」
と尋ねていたことです。表面上の言葉よりも、「そのときどう思いながら話したか」にフォーカスをするのです。
私は、これまでの挨拶は礼儀として、行うべき習慣として行っていたと気づきました。つまりは「やり方」に焦点を当てていたのです。アメリカでは挨拶そのものよりも、挨拶するときのマインドを重視します。
だからと言って、「スキル」が大切ではない、ということではありません。
・ひねくれた言葉ばかり言っているのに、なぜか愛されるおじいさん
・毒舌なのに、なぜか優しく感じる先生
などのように、確かに「マインド」が整っていれば、言葉が雑でも印象はある程度良くなります。このような人は、「スキル」が伴っていないだけで、「マインド」は整っているから、最初は誤解されやすいのですが、よくよく話してみたらとてもいい人だったということがあります。
ただ、このような人は表現のスキルが未熟なことで、損をしていることが多く、とてももったいない状態にあると言えます。マインドだけ整っていてもうまくいかないということです。
「マインド」と「スキル」の両方が改善されるからこそ、あなたのコミュニケーション力は最大の力を発揮します。