「部屋が片付けられない」「忙しくて時間がない」を引き起こしている“もうひとりのあなた”の正体
「部屋が片付けられない」
「忙しくて時間がない」
あなたが、なかなか解決できないこと。いつも問題を繰り返してしまうこと。これらの問題や悩みは、心の中に住む「もうひとりのあなた」が引き起こしています。
その理由はけっして嫌がらせではなく「あなたを守る」ため。「もうひとりのあなた」である「心の防衛機能」の謎を解き明かしながら、誰かに頼るのではなく、あなたがあなた自身を助けることができる方法をお伝えしている『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けします。
「もう、傷つきたくない」が一番の目的
たとえば、「部屋が片付けられない」は、部屋がスッキリすると気持ちもクリアになり、抑え込んでいた不安や焦燥感が湧いてきてしまうのを防ぐため。「忙しくて時間がない」は、時間ができてしまったら、“いつかやればできる”という可能性がなくなってしまうのを防ぐため。
このようにあなたを傷つけまいと問題を引き起こす「もうひとりのあなた」である「心の防衛機能」を、私は「ナイト(騎士)くん」と呼んでいます。
ナイトくんの目的は、損失を回避することにあります。
それはいったいどんな損失なのでしょうか。
私が臨床での心理療法や栄養療法を通して多くのクライエントさんと接する中で、あらゆる問題の背後に隠されたメリットの共通項目は、たったひとつであることに気づきました。
それは、
「もうこれ以上、自分が傷つかないように自分を守ることができる」
というメリットです。
つまり「傷つくという損失」を回避することです。