2024.04.18

ペットが家に持ち込む「殺人生物」が大量発生していた…専門家が警鐘を鳴らすその実態

前編記事『大量発生する「マダニ」が危険すぎる…公園遊びで油断してはいけない、致死率2割の感染症』より続く。

(2)ペット→ヒト感染

マダニは今やどこにでも存在する。前出の岡林氏が語る。

「ペットとして飼っているネコが草むらからマダニを持ち帰ってきたり、近所の野良ネコと戯れているときにもらって家に持ち込みます。イヌよりも接触の機会が多いネコからヒトに感染しやすく、飼い主が実際にSFTSウイルスを移された事例もあります」

ペットが持ち込むマダニに咬まれるだけでなく、注意すべきはすでに感染しているペットが直接ヒトに移すケースである。

'16年、弱ったネコを保護しようと抱えて咬まれた50代の女性が、SFTSを発症して死亡した。これが哺乳類からヒトに感染して死亡した世界で初めての事例だが、女性がダニに咬まれた形跡はなかった。

photo by gettyimages
 

また、体調不良のネコを治療していたある獣医師はネコの身震いで飛んだ体液の飛沫で感染した。

ペットと触れ合うとき、指のささくれから感染する恐れもある。それほど感染力は強いのだ。

「イヌよりもネコの発症数が多く、致死率はイヌで29%なのに対し、ネコでは60~70%です。ネコの感染は4月に多く、5月にはヒトへの感染が増える傾向にあるので、体調の悪いペットに注意してほしいです」(岡林氏)

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