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バブル発生に関する期待と経済成長

2024年4月8日
陣内了*1
土田悟司*2
山本庸平*3

要旨

日本経済の「失われた30年」をもたらした要因の一つとして既存研究とは異なる視点を提供する。まず、平成バブルの崩壊以後も、日本経済にはバブル再発生への期待が存在し続けていた可能性をデータを使って示す。次に、バブル発生への期待が投資のクラウディングアウト効果を生むことを理論的に示す。このメカニズムが日本経済の成長に重しであった可能性を議論する。

JEL 分類番号
E44、G12、O40
キーワード
バブル、成長期待、設備投資、クラウディングアウト

陣内はJSPS科研費20H01490および 23H00054からの助成を受けて本研究および関連する研究を行った。心より感謝したい。また、本稿の作成にあたっては、福永一郎氏、法眼吉彦氏、金井健司氏および日本銀行のスタッフから有益なコメントを頂戴した。記して感謝の意を表したい。ただし、残された誤りは筆者らに帰する。なお、本稿の内容や意見は、筆者ら個人に属するものであり、日本銀行を含む筆者らの所属の公式見解を示すものではない。

  1. *1一橋大学経済研究所 E-mail : rjinnai@ier.hit-u.ac.jp
  2. *2日本銀行調査統計局 E-mail : satoshi.tsuchida@boj.or.jp
  3. *3一橋大学経済学研究科 E-mail : yohei.yamamoto@r.hit-u.ac.jp

日本銀行から

日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。
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