最新科学研究によると、肌は人体の体重の約16%程度を占める「人体最大の臓器」であり、免疫器官だという。
1つめの記事『肌に「シミ」や「くすみ」ができる科学的理由がわかった《人体最大の臓器「皮膚」の研究》』で、肌に「シミ」や「くすみ」ができる主な理由は、紫外線や老化の影響であることが分かってきた。
では、「シワ」や「たるみ」はなぜできるのだろうか? その原因や防ぎ方について科学的な背景を追った。
冬に多い紫外線の「A波」がシワをつくる
シワがある肌はハリがなく、キメ(肌理)が不揃いだ。では、「キメの整った肌」とは何か?
「キメとは表皮にある凹凸のことで、皮膚にある『皮溝(ひこう)』と『皮丘(ひきゅう)』によって構成されています。この『微小な三角形』が均一に揃うと、なめらかですべすべとして、角質層が水分を多く含んでいて透明感がある肌になります」
京都大学教授で『人体最強の臓器 皮膚のふしぎ』(ブルーバックス)の著者・椛島(かばしま)健治氏はそう語る。
逆に、この「微小な三角形」が不揃いで、水分が不足し弾力が弱まるとシワが生じやすくなる。そんな肌は、長年紫外線を浴びることでできる。
実は、地上に届く紫外線にはA波とB波の2種類がある。夏に多いのはシミやそばかすのもとになるB波である。冬の太陽光に多く含まれている紫外線はA波であり、シワやたるみのもととなる。夏と比べて紫外線量が少ない冬でも注意が必要だ。
本誌より