「日本はいつ、何をしにウクライナを訪問するのか」が国家として極めて重要な理由

「防弾チョッキだけ」で本当にいいのか

果たして岸田首相はウクライナを訪問するのか?

1月23日から衆議院本会議が開催され、「反撃能力の保有」や「防衛費の増額」、「次元の異なる少子化対策」などに関する各党による政府への質疑が本格的に始まった。このような中、これらに紛れてあまり大きく取り扱われていない、とても重要な問題がある。それは、岸田首相のウクライナ訪問である。

岸田首相は一体いつ、何を伝えにウクライナを訪問するつもりなのだろう。

1月25日衆議院本会議の代表質問で自民党の茂木幹事長が岸田首相に対して、「総理自らがウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領との首脳会談や現地状況の視察等を行っておくことが望ましいのではないか」と指摘し、首相が「現時点では何ら決まっていないが、諸般の状況も踏まえて検討していく」と答弁したことで、一時メディアも大きく報じられたこの問題は、それ以降あまり話題に上らなくなった。

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確かに、首相が戦時中の国家を訪問するとなれば、その時期や移動経路などは安全上機密事項に該当することから、具体的な内容の報道は慎まなければならない。一方で、本件は今後のわが国の国際的立場を左右するほど重要な意味合いを有しているといっても過言ではない。その時期や経路などの細部を除いて、訪問の意義やその際にわが国として伝えるべき内容について、もっと国民は関心を持つべきであり、各メディアも唯識者などの意見を取り上げて議論すべきではないか。

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