さて今日は2022~23主力株概況シリーズです。
26位 2681 ゲオホールディングス (東P、3・9月優待) ◎◎◎
PF時価総額26位は、ビデオ、ゲームソフトのレンタル・新品販売と総合リユースが2本柱で最近の出店はリユース(セカンドストリート)中心となっているゲオホールディングスです。今回初めてのポートフォリオ上位進出を果たしてきました。
さて話が唐突かつ劇的に変わるのですが、自分には昔からCDの収集癖があります。家には多分4000~5000枚くらいの在庫が既にあるのですが、情熱が衰えることはなくそれどころか一段と加速しています。
数か月前から「松任谷由実(ユーミン)の全作品をCDで揃えよう。それもブックオフやアマゾンを使って中古品を中心としてお得に集めるというルールにしよう。」という「謎ミッション」が自力発動してしまい、本能に突き動かされて仕方なくせっせと色々な所のブックオフに出かけていました。
ただユーミンの「音楽的なピーク」と言われていた1970年台、1980年台のアルバムは元々ほぼ持っていたので、今回探していたのは、1990年台、2000年台、2010年台の作品がメインでした。この内1990年台と2000年台前半のものはCDが良く売れていた時代だったので、比較的安価で労なく集めることが出来ました。
ところが2000年台後半から2010年台は音楽は配信サービスの時代に移行してCDが売れなくなっていたのでなかなか見つからないし、あっても値段がかなり高いという状況でした。
そこで、「そうだ、レンタルショップのゲオにも行ってみよう。もしかするとレンタルアップの商品が安く売っているかもしれない。」と思い立ちました。一般にレンタル落ちの商品はジャケットや歌詞カードや本体CDの痛みが激しいことが多くて不人気ですが、自分は「清濁併せ吞むバリュー投資家」なので、値段が十分に安いのであれば細かい欠点はあんまり気にしないのです。
、、、ただ、残念ながらどこのゲオにもお目当てのブツは無くて空振りでした。というか、CDは既に時代遅れの商品になってしまっていて、そもそも中古の売り物が全体にとても少なかったのです。「あぁ、時代は完全に変わってしまったんだ。もうCDを集めるなんてオールドファッションで奇特な趣味になってしまったんだな。」としんみりと痛感しました。
、、、ゲオでオケラだった私は、心の傷を癒すためにしょんぼりしながら併設されているリユース店のセカンドストリートにふらりと入りました。
すると、裏寂れていたゲオの何倍もの人がギチギチに入っています。そして買い物かごを持ってそこに無造作にバサバサと服を放り込みながら通路を 小さなティラノザウルスみたいにのしのしと歩いているオバちゃんが何人もいます。
私は驚きで両の眼球が飛び出るのが分かりました。「まるでスーパーで夕ご飯の材料を買うみたいに、かごに無造作にキャベツを放り込む勢いでリユース衣料を買ってる。!!」
店内をじっくりと見渡して状況を把握した瞬間、はっきりと「脳が揺れた」のが分かりました。瞬時に全身から大量の汗が噴き上がってきます。自分は数秒でいくつかのことを同時に感じ取ったからです。
1つ目は「リユース店が全体に月次推移が良いのは認識していたけど、それにしてもこの熱気はヤバい。お客さんが目に見えて山と増えているしみんなの表情が輝いている。いたずらなハンターの目をしてる。お宝探しと店内散歩を心底楽しんでいる。これは買いだ。!」と直感的に思ったことでした。
2つ目はゲオHDが年初から既に株価が急騰していてバリュー投資家的に滅茶苦茶に買いにくいチャートになっているのは前もって認識していたので、「ユーミンのCDですら中古で揃えようとしているくらいのケチケチバリュー投資家なのに、このチャートで俺、今から大きく買えるのか? 本当にやれんのか?」という疑問がせり上がってきたことでした。
(上記データはSBI証券より引用)
2つの相反する思いが脳をグラグラと揺らしたのです。
綺麗に整理整頓され彩りよくディスプレイされた店内を、そしてお客さんの様子を真剣に見回りながら、色々と考えます。
「これは大変な事態ですよ。日本の過去30年間の一直線の国力低下と加速するインフレ進行で、国民全体の購買力が激減してゲームチェンジが起こっている。リユース業界にとんでもないフォローの風が吹いている。今、それを目の前ではっきりと見た。完全に出遅れた。でもまだ間に合うかもしれない。いや、やっぱりギリでアウトか。このチャートパターンであんまり勝ったことないし。」とか、スマホで急いで確認した 1Q を見て、「進捗率から考えてこれから今期業績の上方修正が出るのは、明日またお日様が昇ること以上に確実。モメンタム投資家的視点ではまだ全然買えるか。」とか。
様々な考えが頭の中で季節外れの突風みたいに駆け巡ります。
「まあいいや。とりあえずセカストのお店をいくつか改めて見に行こう。それからどうするのか、買うならどこまで買うのか、早急に考えよう。」と決めました。
、、、その後他府県にも遠征をかけて合計20店舗くらい回りましたが、どこのお店も以前に較べると圧倒的に混んでいます。あるセカストでは小学生くらいの男の子が金主のおじいちゃん(?)を連れてきて「もうちょっと待ってて。!」と叫びながら、一生懸命におもちゃを探しているのが非常に印象的でした。リユース店の使い方が爆発的に拡大してきているんだな、と実感しました。
(上記データはリサイクル通信HPより引用)
結論としては、「今の株価位置なら、負けて-400円、勝ったら+4000円と考える。リスク・リワード比は10対1だ。これは滅茶苦茶いい。チャートは気に入らないけど、リスクを取ろう。思い切って勝負してみよう。」ということになり、私は大きな金額を注ぎ込むことにしたのでした。
(続く)