本格的な円安時代が到来しそうな今、「外貨投資」は効果的な資産運用になる可能性がある。大きな利益を狙えることもあるので、子どもの教育資金や老後資金を貯めたい場合など、30代のさまざまな資産運用に活用できるだろう。

今回は外貨投資の概要やメリットに加えて、30代が考えておきたい投資戦略や、外貨投資との向き合い方などを解説していく。

外貨投資とは ? 3つのメリット

30代からの資産運用 「円安時代」の外貨投資戦略
(画像=ELUTAS / stock.adobe.com)

外貨投資とは、外貨建て金融商品の取引によって利益を狙う投資手法のこと。例えば、日本円を米ドルやユーロなどの外貨と両替し、その外貨を使って外国株を取引する投資などが該当する (※両替が不要な商品もある) 。

外貨投資をするメリットとしては、主に以下の3つが挙げられるだろう。

○外貨投資のメリット
・為替差益を得られる
・金利差による利益が発生する
・投資の選択肢を広げられる

為替差益とは、日本円と外国通貨の為替レートの変動によって発生する利益のことだ。例えば、1ドル=100円のときに100ドルを購入し、1ドル=120円になってからドルを売却すれば、2,000円 (20円×100ドル) の利益が発生することになる (※取引手数料などは考慮しない) 。

また、日本円よりも金利が高い外国通貨と両替した場合は、金利差による利益も得られる。為替差益とは違い、金利差による利益は外貨を保有している限り継続的に発生するため、中長期の投資で狙う利益として人気を集めている。

円安の影響を受ける外貨投資をおさらい

2021年は円安が急速に進んだ年であり、年初に1ドル=103~104円台で推移していた米ドル円相場は、2021年末頃には1ドル=115円台にまで到達した。では、一般的に外貨投資と呼ばれる金融商品は、円安になるとどのような影響を受けるだろうか。

円安が進むと、FX (外国為替証拠金取引) や外貨預金では、円安以前から日本円を外国通貨に換えていた投資家が得をする。為替差益が一気に膨らむだけではなく、通貨ペアによっては金利差による利益が得られるため、中長期の保有によっても大きな利益を狙える。

外貨建ての外国債券や投資信託などについても、基本的な仕組みは同じだ。いずれの金融商品も為替レートの影響を大きく受けるため、外貨や外貨建て商品を保有した状態で円安に振れると多くの為替差益が発生する。

円安時代の外貨投資は、「円高耐性」を知ることから始める

買い注文から外貨投資を始める人にとって、円安は利益を生み出すうれしい現象である。ただし、円安に振れるとは限らないので、外貨投資を始めるのであれば「どこまでの円高までなら耐えられるか ? (円高耐性) 」を把握しておかなくてはならない。

一例として、FXにおいて1ドル=115円のときに、1万通貨 (115万円分) を購入したと考えてみよう。仮にこの後1ドル=100円まで下がれば、15万円 (15円×1万通貨) の含み損を抱えることになる (※取引手数料などは考慮しない) 。

このシミュレーション結果を見たときに、「15万円の損失は耐えられない」「現実的にはもっと円高が進むかもしれない」と感じるのであれば、損切りのラインを引き上げる必要があるだろう。シンプルなシミュレーションではあるが、外貨投資において大まかな円高耐性を決めておくことは、損失のダメージを最小限に抑える上で非常に重要なことだ。

トレンド転換までの期間によって投資手法を変える

トレンド転換までの期間によって適した投資手法が変わることも、外貨投資を始める前に押さえておきたいポイントである。ここからは、短いスパンでトレンド転換する場合と、しばらくトレンド転換しない場合とに分けて、それぞれに適した投資手法を考えてみよう。

短いスパンで円高になりそうな場合

短いスパンで円高にトレンド転換しそうな場合は、スピーディーに反応できる態勢を整えておく必要がある。

具体的な戦略としては、早めに日本円で引き出して利益を確定させたり、短期の売買益を狙ったりなどの方法が挙げられる。また、一時的に外貨投資から引き上げて、国内の金融商品に資金を投下する方法もひとつの選択肢になるだろう。

一方で、中長期の保有が前提となるスワップ狙いや、途中解約ができない金融商品などは、円高が目前に迫った状況では不利になりやすい。

しばらく円安が続きそうな場合

円安のトレンドがしばらく続きそうな場合は、中長期の保有が前提となる金融商品が選択肢に含まれてくる。実際に5~10年ほどかけて円安が進めば、スワップ狙いのようにコツコツとした資産運用であっても、まとまった利益が期待できるだろう。

ただし、大きな利益を狙いたい人は別の投資戦略を用意しておきたい。例えば、FXや米国株式などで売買益を狙ったり、思い切って外貨建て資産の割合を増やしたりといった戦略が考えられる。

ただし、投資のリスク許容度は個人によって異なるため、前述の円高耐性もしっかりと把握した上で綿密な運用プランを立てることが重要だ。

急激な円高を引き起こす要因もチェック

外貨投資を始める際には、急激な円高を引き起こす要因もチェックしておく必要がある。

わかりやすい例としては、2008年に発生した「リーマン・ショック」が挙げられるだろう。アメリカの投資銀行である『リーマンブラザーズ』の破綻は世界経済に影響を及ぼし、米ドル円についても2008年8月~12月のわずか4ヶ月で、1ドルあたり20円以上の下落を記録した (110円台から87円台) 。

こうした金融不安は今も潜んでおり、直近の懸念としては中国不動産開発大手『恒大集団』の経営危機がある。もし恒大集団が経営破たんに追い込まれれば、第二のリーマン・ショックにつながる可能性もゼロではない。

円高を引き起こす要因はほかにも多く存在するため、外貨投資を始める場合はアンテナをしっかりと張り、さまざまな地域の情勢を確認しておこう。

外貨投資では最低限のリスクヘッジを意識しよう

円安と外貨投資は相性が良いものだが、同じトレンドはずっと続くものではない。どこかで必ず円高に転換するラインがあり、リーマン・ショックのような金融不安によってもトレンドは変わるため、外貨投資のプランは慎重に考えることが重要だ。

想定以上の損失にショックを受けるような事態を防ぐために、最低限のリスクヘッジはしておこう。

(提供:大和ネクスト銀行


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