2022.06.29
# ビジネス

「ボーナスが3万円なんて話が違う!」35歳の中途社員が転職先で絶句した「衝撃の落とし穴」

ボーナス払いを含む高額なローンを組んで、新築マンションを購入。ところが、あてにしていた転職先のボーナスが、たった「3万円」だったら……。笑えない話だが、こんなことが実際に起こりうるのだ。

今回は、ある中途社員を絶句させた、会社の規定の衝撃の落とし穴について、社会保険労務士の木村政美氏が事例とともに解説する。

これではローンが払えない……

A間さん(35歳・男性、仮名=以下同)は、大学卒業後甲社の営業マンとして勤務していたが、今年2月乙社の営業部に転職した。

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5年前に結婚したA間さんは、翌年の春、妻の強い要望で新築マンションを購入。頭金がほとんどなかったため、月々の給与+ボーナス払い併用で高額の住宅ローンを組んだ。

しかし2年前から新型コロナの影響で甲社の業績が悪化、そのあおりを受け昨年は全社員夏と冬のボーナスを例年に比べ80%カットした上、今年もそれを継続する可能性があるとのことだった。ボーナスのほとんどをローンの返済に充てていたA間さんは、預金を切り崩して足りない分を支払ったが、そのせいで預金残高はついに10万円を切ってしまった。

「来年もしボーナスが出なかったらボーナス払い分のローンが返せない。せっかく買ったマンションを手放すなんて絶対にイヤ! あなた、何とかして」

妻に泣きつかれたA間さんは、12月中旬から、給与額は甲社と同じ以上でボーナスの支給額が高い会社に絞って転職先を探し、乙社への入社が決まったときは、「これでローンが返せる」と妻と手を取り合って大喜びした。

入社後A間さんはメキメキと実績を伸ばし、4月には係長に昇進、給料が月2万円増えた。会社に自分を認めてもらった手ごたえを感じ、当然夏のボーナス額にも期待していた。

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