2022.06.29
# サル痘 # コロナ # 岸田文雄

サル痘でもコロナと同じ轍を踏むつもりなのか 岸田政権の“鈍すぎる”動き

内閣感染症危機管理庁への3つの疑問

3つの大きな疑問

岸田文雄首相は新たな感染症対策に遅れを取らないよう、内閣官房に「内閣感染症危機管理庁」を新設すると今月15日に表明した。同庁の新設を柱とした新たな感染症対策は機能するのだろうか。そこには3つの大きな疑問が残されている。

まずは、岸田首相が打ち出した新たな感染症対策について確認しておこう。

内閣官房に新設される「内閣感染症危機管理庁」は、内閣官房の「新型コロナウイルス等感染症対策推進室」と厚生労働省の「新型コロナ感染症対策推進本部」に分かれている感染症対策の担当部門を一元化し、首相直属の組織とするものだ。

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これに伴い、厚労省の組織を再編し、各局にまたがる感染症対応や危機管理系の部署を統合し「感染症対策部」を設ける。

加えて、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターの機能を統合し、米疾病対策センター(CDC)をモデルとした「日本版CDC」を創設する。

さらに、医療提供体制のあり方として、感染症が発生した場合の病床や人材の確保の強化のため、新たな仕組みを法律で定める方針だ。

新型コロナウイルス感染対策で大幅に後手を踏んだ政府としては、この教訓を生かして新たな感染症対策に乗り出したということだろう。

しかしながら、筆者には3つの大きな疑問がある。

第1の疑問は、今回の対策が新たな感染症に対して先手を打って対応するためのものならば、何故、サル痘について政府は大きなアナウンスを行わないのだろうか。

サル痘は70年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)でヒトでの初めの感染が確認されたオルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスによる感染症。世界保健機関(WHO)によると、6月25日時点で3040確定例がサル痘の常在していない47カ国から報告されている。

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