年金・老後のお金クリニック

60代で年金も月4万8000円もらい、パート年収が120万円ほどの主婦です。夫の扶養のままでいられる年収はいくら?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、夫の扶養に入れるパート年収についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

執筆者:All About 編集部

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、夫の扶養に入れるパート年収についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
 

Q:夫の扶養に入ったままでいられる年収はいくら?

「老齢厚生年金と老齢基礎年金を1カ月当たり4万8000円ほどもらい、パート年収が120万円ほどの主婦です。現在は夫の扶養に入っています。2022年10月から、パート先で、社会保険加入が義務となります。年収いくら以内であれば、自分で会社の厚生年金に加入せず、社会保険料や税金を払わずにすみますか?」(60代前半)
 
年収いくらであれば、夫の扶養に入れる?

年収いくらであれば、夫の扶養に入れる?

 

A:パート収入で103万円以下が目安です

扶養には、税金上の扶養と社会保険上の扶養があります。相談者が、夫の扶養に入ることができれば、自分で税金や社会保険料を払わなくてすむというメリットがあります。

相談者は、年額で58万円程度の年金をもらいながら、年間120万円ほどのパートをしているとのこと。夫の扶養に入れるかどうかを考えていきます。

まず、税金上の扶養に入れるかどうかを考えるためには、年金とパート収入を別に計算をします。年金は雑所得、パート収入は給与所得のため、それぞれの「所得」がいくらなのかを計算して、税金上の扶養内かどうかを判定する必要があります。

相談者の年金収入は、年額で58万円程度ですので、60代前半であるとすれば、60万円までの公的年金等控除額以下となり、所得はゼロとなります。年金の収入については、所得の計算に入れなくてもOKということになります。

次にパート収入で得られる所得について考えてみます。税金上の扶養に入れる条件は、いわゆる「103万円の壁」ともいわれ、パート収入で103万円以下であれば、所得税額はゼロとなります。

年収103万円-基礎控除48万円-給与所得控除55万円=所得税額0円

ただし住民税については、住んでいる自治体によってパート年収が103万円以下でも、課税される可能性があるため、市区町村役場でいくらであれば非課税となるのかを確認してみましょう。

相談者は現在、パート年収は120万円とのことなので、夫の税金上の扶養の範囲内で働きたければ、103万円以下になるように働き方を調整してみてください。

一方、社会保険上の扶養については、60歳以上の場合、原則として年収180万円未満であれば、扶養の範囲内となります。相談者の年金額は58万円、パート収入は120万円で合計178万円と、180万円に満たないので、社会保険についても扶養の範囲内になる可能性が高いです。念のため夫の勤務先に確認してみることをオススメします。

※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

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