医師たちの告白…ここにきて「医療崩壊」のカウントダウンはすでに始まっている

オミクロン株の猛威で、現場は逼迫

新年早々から始まった、かつてないスピードの感染拡大に打つ手はなかった。オミクロン株の猛威はすでに医療現場を呑み込んでいる。「第6波」と対峙する緊張の最前線から徹底レポートする。

「数の暴力」で大混乱

オミクロン株による新型コロナの急速な感染拡大で状況が逼迫するなか、沖縄県の友愛医療センターの医師たちは、連日夜通しの対応に追われていた。

「お正月も三が日までは、まったくコロナの患者さんはいませんでした。ところが、1月4日頃から、急速に増え始めた。『倍、さらに倍』と想像を遥かに超えた恐ろしいほどのスピードで、現場の我々も驚愕しています」(同病院の救急科医長・山内素直氏)

瞬く間に病床が埋まっていき、人手も足りない。各々が肉体的にも精神的にも、まさにギリギリのところで治療に当たっている状態だ。

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そんな非常事態が続いていたある日の夜中、病院の正面玄関に一台のワゴンが横付けされた。

乗っていたのは、8人の大家族だった。

「すぐに検査して!」

そう言って、病院に乗り込んできたという。

沖縄県の友愛医療センターの救急科医長・山内素直氏が言う。

「濃厚接触を疑った家族が8人全員のPCR検査を希望して来たのです。が、全員が無症状だったため、救急の診察対象ではありませんでした。当院では検査だけの受付は行っておりませんので、お帰りいただきました」

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