「対中非難決議文」なのに「中国」の名前がない!

だから岸田は習近平に舐められる

先送りばかりで保守層も離反

岸田文雄政権の「目玉」が、また1つ後退しようとしている。首相は1月17日の施政方針演説で新型コロナウイルス対策と看板政策の「新しい資本主義」に多くの時間を割いたが、またしても昨年9月の自民党総裁選で掲げた令和版「所得倍増計画」や金融所得課税の強化といった目玉公約を“封印”した。夏の参院選までは「安全運転」に終始するというが、相次ぐ後退には自民党の支持基盤である保守層からも「日和過ぎている」との失望感も広がっている。

Photo by GettyImages
 
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「一体どこを向いて、誰の声に『聞く力』を発揮しているのか分からない。自民党が保守政党としての矜持を示さなければならないのに、憲法改正も安定的な皇位継承の議論も先送りばかり。このままでは保守層が離反しかねない」

閣僚経験者の一人がこう憤るのは、岸田首相が掲げた目玉公約がことごとく先送りされ、保守層の票が夏の参院選で日本維新の会などに流れるとみているためだ。「所得倍増計画や金融所得課税などは『これから頑張って取り組みます』と言っていれば良いかもしれないが、『アレ』だけはそうはいかない」と語気を強める。

もはや先送りが許されない「アレ」とは、中国による香港や新疆ウイグル自治区での人権侵害行為を非難する国会での「対中非難決議」を指す。自民党の高市早苗政調会長ら保守系議員が中心となり、昨年の通常国会で採決を求めたものの、連立政権を組む公明党が慎重姿勢を崩さず見送られた決議案だ。

高市氏は、決議に前向きな野党の動向も踏まえ、昨年末の臨時国会でも採択するよう自民党の茂木敏充幹事長に「直談判」までしたが、「今はそのタイミングではない」と了承されず決議案提出は叶わなかった。

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