2022.01.26
# ビジネス
吉野家の「うまい、やすい、はやい」は、なぜ「伝わる」キャッチコピーなのか?
コミュニケーションで大事な2つの要素「伝えたいことが、相手にちゃんと伝わってほしい」と思いながらも、いざ会話をするとうまく伝わらない、コミュニケーションのストレスを感じてしまう……そんな人も少なくないだろう。そこで知ってほしいのが「伝わる構造」と「伝わる技術」。
『バナナの魅力を100文字で伝えてください』の著書があり、「伝わるとはどういうことか」について考え尽くしてきた編集者の柿内尚文氏が、コミュニケーションにおいて大事な2つの要素を紹介する。
『バナナの魅力を100文字で伝えてください』の著書があり、「伝わるとはどういうことか」について考え尽くしてきた編集者の柿内尚文氏が、コミュニケーションにおいて大事な2つの要素を紹介する。
伝えるには「ファクト」と「メンタル」がある
「伝える」を考えるときに見落とされがちなのが「伝えるはこの2つに分かれる」ということです。
(1)「ファクト(事象・事実)を伝える」
(2)「メンタル(感情)を伝える」
この2つがごちゃごちゃになっていることがあります。
たとえば、仕事のメールで「お疲れさまです」が必要か不要かという話。この議論がときどき起きます。
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不要論はこうです。
仕事のやりとりなんだからできるだけ効率良く、ムダをなくしてやりとりするほうが生産性が上がる。よって「お疲れさまです」は不要ではないか。
これこそまさに「ファクトを伝えるか」「メンタルを伝えるか」を分けて考えたほうがいい問題です。
確かにファクトを伝えることだけを考えると、「お疲れさまです」は不要な言葉です。
でも、メンタルを伝えるという部分では「お疲れさま」は相手を気遣う言葉になります。メンタル(感情)も伝えたいという人は使えばいいし、そう思わない人は使わない。そういう使い分けをすればいいわけです。