もう米国は世界を守る負担を背負い切れないので日本はその分自分で

尖閣を守るにはまず防衛費GDP2%を

アフガン首都陥落と経済大乱は戦乱の予兆?

中国恒大などの「中国発の経済危機」に対するバイデン政権の対応能力に関する不安については、10月9日公開「バイデン政権では中国発の経済混乱を防げないと思えるこれだけの不安」で詳しく述べた。

by Gettyimages

また、米国自身の債務上限問題は、共和党のマコネル院内総務の配慮などによって12月3日までの「猶予」が与えられた。しかし、同氏は10月8日、バイデン大統領に書簡を送り、「次にこの問題が浮上した際には支援しない。民主党が単独で行動する必要がある」と指摘している。

つまり、「米国の債務不履行」という世界を揺るがす事態は、12月3日まで先延ばしにされたに過ぎないのだ。

また、超党派で上院が可決済みの総額1兆ドル(約110兆円)規模のインフラ投資法案に加え、社会福祉投資法案(10年間で3.5兆ドル規模)の2つの経済対策を巡り攻防が続いているのが「債務上限問題」の根本原因である。

合計で日本の年間GDP500兆円規模という巨額のバラマキを行うために「債務上限」を引き上げることなど、自由・民主主義(経済)の繁栄を重視する共和党には受け入れがたい話だ。

もし、「債務上限問題」が民主党単独で解決されたとしても、今度はその巨額なバラマキが米国の国家財政を押しつぶしインフレを加速させる。さらには(インフレなどによる)貨幣価値の減少を通じて、3月13日公開「最強通貨・ドル、じつは間もなく『紙くず』になるかもしれないワケ…!」が現実のものになる可能性が高まる。

しかし、それよりもさらに重大な問題は、安全保障面におけるバイデン政権の対応能力である。

安全保障においても、アフガンからの無様な撤退がその能力を如実に示している。8月21日公開「サイゴン陥落のデジャブ『アフガン大返し』でバイデン3日天下?」のような大失態を演じただけではなく、後述のように制服組トップの「国家反逆罪」の疑いの強い人物を庇ってさえいる。

 

トランプ前政権時代には、テロリストや「悪の枢軸」などの世界中の「平和の敵」が米国に恐れを成しておとなしくしていた。

だが、アフガン撤退の失敗により、世界は「米国という警察が存在しない無法地帯」になりつつあるのだ。

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