親と料理をしたことがない、絵本を読んでもらえない…コロナ禍で広がる「学力格差」の“意外な要因”
9月末で緊急事態宣言が解除されてから、2週間余りがたち、人々の関心は新型コロナから急速に離れつつあるようにも見える。しかし、その爪痕はいまだ大きく、中でも現役子育て家庭で「見えづらい被害」が出ており、「学力格差」という形で子どもへの負の連鎖が生じている。
子育て家庭の貧困対策に取り組むNPO法人「キッズドア」、クラウドファンディング大手「READYFOR」が10月4日に行った「コロナ学習格差」への緊急支援事業についての説明会の内容から、コロナ禍で深刻化する子どもの学力格差の現状と、その意外な要因を明らかにする。
世帯年収200万円未満が6割、困窮子育て家庭の現状
NPO法人キッズドアが食料を支援した子育て家庭へのアンケート調査(*)によると、6割以上の家庭が昨年の収入を200万円未満と答えた。
今年6月時点の貯蓄額も10万円未満の家庭が約半数と、想像以上の困窮ぶりだ。
キッズドアファミリーサポートへ登録した困窮子育て家庭へのアンケート調査より(2021年6月26日〜7月3日)
登録条件:ひとり親・二人親を問わず生活に困難を抱え、高校生までの子どもがいる家庭
キッズドアが支援した家庭への別の調査(2021年4月5日〜21日)では、「休校などコロナの影響により、お子さんの学力に変化はありましたか」という問いに対し、「悪くなった」という回答が46.5%。
また、先述した7月時点の調査では、「希望する進路に進めない可能性がある」(40%)、「進路を変更しなければならなかった」(6%)と、進路への影響を訴える家庭が約半数いた。
今後ますます深刻化しそうな新型コロナの子供の学力への影響。生じる学力格差を埋めていくには早急なサポートが必要だ。
しかし、単純に「勉強を教えるとか、学習時間を増やせばいい」わけではないと、キッズドアの渡辺由美子理事長は指摘する。