また誰かが死ぬかもしれない…多くの人がまだまだ知らない「入管の衝撃実態」

未検証の死、「国に帰れ!」との言葉も…

入管法改正案が4月16日に衆議院で審議入りをした。ゴールデンウィーク明け5月7日には、与党による強行採決の可能性もあり、反対派には緊張が走ったが見送りに終わった。

この法案は基本的にはビザのない外国人を対象としている。一見、日本人は関係ないように思われる。しかし、意外に反対する日本人は多い。支援者はもちろんだが、弁護士や芸能人、ジャーナリスト、作家、お笑い芸人など有名な著名人たちも法案が通ることに問題視している。

〔PHOTO〕iStock
 

なぜ、こんなにも反対する声が大きくなっているのだろうか。

ビザがなければ自分の国へ帰らなければならない。しかし、どうしても帰ることができない事情のある人たちがいる。そういう人たちに対し、法務省入管庁は更に厳しくして、なんとしても帰国させようというのだ。ただでさえ厳しかったのに、それでも帰らないからもっと厳しくするという強硬なやり方に異議を唱える者も多い。

「何をしても構わない」と言う入管

入管の建物内にある外国人専用の収容施設では、その処遇があまりにも過酷なため、自殺を図る人や、医療ネグレクトにより手遅れになってしまう人も少なくはない。

最近は3月に名古屋入管の収容施設内で亡くなったスリランカ人女性の死などが話題になっている。彼女は食事がとれず、本人や支援者が点滴を望んだが、入管側はそれに応じることがなく、その後死亡してしまった。法務省側は彼女の死の究明を明らかにせず、彼女の様子を映していたビデオテープも家族の要求に反し、見せようとしない。

関連記事