2021.05.11
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日本のクルマ、EV化がいよいよやってくる…! 軽自動車の「戦国時代」が到来か
クルマ界に押し寄せる電動化の波雑誌『ベストカー』では、ハイテクから新サービスまで、クルマ関連の小難しい話題をやさしく解説する「近未来新聞」を連載しています。時々刻々と変化する近未来が見えてくる人気企画です。5月10日発売『ベストカー』(2021年6月10日号)から、EVの最新事情をお届けします。
文/角田伸幸(モータージャーナリスト)
「ファブレス方式」を先取り
電動化の波は働くクルマにも押し寄せているが、佐川急便が配送用の軽自動車をEVに置き換えると発表した。
ドライバーの要望を反映し、助手席より広い運転席や1ℓ紙パック用ドリンクホルダーなどを実現
軽自動車は日本独自の規格だから、三菱ミニキャブMiEVの出番かと思ったがそうじゃなかった。なんと佐川急便はオリジナル車両を作ろうと、東京のASFという新興企業に開発を依頼、さらにそのASFが、中国の柳州五菱汽車に生産を委託することとなった。価格はミニキャブMiEVを下回る200万円前後になるという。
開発にあたって佐川急便とASFは、全国の配送ドライバー7200人にアンケートを取って使い勝手を徹底的に研究。運転席を優先させた前席レイアウトや作業用テーブル、1Lの紙パックが収まるドリンクホルダーや、台車も収まる二重フロアなどを採用したそうだ。
それにしても、いろいろと考えさせられる話題だ。まずは生産システム。日本で開発して中国で生産するという今回の仕組みは、スマホや半導体で主流のファブレス方式と呼ばれるもの。自動車の分野では鴻海が近く実現すると言われているが、それを先取りする動きだ。