クレジットカード大手Visaと、米ドルとペグしたステーブルコイン「USDC」を発行するCircle社の提携が明らかになった。2日、Forbesが報道した。

両社の提携により、VisaはUSDCで利用できるクレジットカードを発行する。発行時期は2021年内を目指している。

暗号資産
(画像=月刊暗号資産)

USDCで利用できるクレジットカードは、Visaを利用する企業向けの法人カードになるという。

まずは、Visaのクレジットカード発行会社の一部で、USDCのソフトウェアをプラットフォームに統合し、クレジット決済をUSDCでできるようにする。

今後Visaは、同社のカードを利用している6,000万社以上の企業へUSDCを通して決済できるクレジットカードを発行する予定だ。

Visaを利用するグローバル企業は国際間取引の場合、USDCを各国の法定通貨に変換して決済が行われるとのこと。

今回の両社が提携するクレジットカードにおいて、USDCはイーサリアムブロックチェーン上で決済され、取引は20秒で完了する。また、クレジットカードは取引手数料が高いが、USDCを使った決済はほぼ無料で行うことができるという。

こうしたメリットから、Visaは膨大な数の加盟企業がUSDCを使った支払い形態を選択するのではないかと期待している。

Visaの暗号資産(仮想通貨)部門責任者Cuy Sheffield氏はForbesの報道を受け、自身のTwitter上で「我々は過去2年間、ステーブルコインの成長を注意深く見守ってきた。Circle社がUSDCをVisaのグローバルネットワークに接続してくれることをとても嬉しく思います」とコメントした。

Visaは暗号資産の取り扱いに前向きな企業として知られている。

今年2月には暗号資産取引所Coinbaseに、暗号資産業界としては初の「プリンシパルメンバーシップ(主要メンバー登録証)」を発行した。

VisaのAlfred Kelly CEOは11月末にCNBC主催のオンラインカンファレンスに登壇し、「暗号資産は決済の領域において発展を続けている分野だ」「今は取引の分野が注目されているが、我々は決済手段として暗号資産に注目している」と将来性について言及し、暗号資産が法定通貨ベースで商品との交換手段として利用される可能性を示していた。(提供:月刊暗号資産