中国・武漢の研究所では、どんな「生物実験」が行われていたか

コロナ発生をめぐる「点と線」

世界で350万人を超える感染者と25万人の死者。このパンデミックは、たった1匹のコウモリから始まった。武漢の「疑惑の研究所」で何が起こっていたのか。ウイルスはどうやって「流出」したのか。

トランプの「爆弾発言」

アメリカ時間の5月3日、トランプ大統領がFOXニュースのインタビューに答えて、「爆弾発言」をした。

「新型コロナウイルスが、武漢の研究所から、どのように流出したかについての報告書を、いま準備中だ。何が起きたかを正確に示す、非常に強力な報告書を、近々出すつもりだ。それは非常に決定的なものだ。中国はひどい失敗をした。きっと認めたくなかったのだろう」

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同日、ポンペオ国務長官も、ABCテレビのインタビューで、こう強調した。

「武漢の研究所から発生したことを示す多くの証拠がある。中国ではこれまで、基準に満たない研究所が運営され、研究所のミスでウイルスが広まったこともある。確証を得るため、いま情報機関が検証を続けているところだ」

果ては、大統領選でトランプ大統領とデッドヒートを繰り広げている民主党のバイデン前副大統領も、こんなテレビCMの放映を始めた。

 

「私が大統領になったら、専門家を中国に派遣し、国際的な調査を要求していく」

アメリカが日増しに疑念を強めているのは、いま世界中に蔓延している新型コロナウイルスの発生源が、中国湖北省武漢市の研究所にあるというものだ。

その研究所の名は、中国科学院武漢ウイルス研究所。新中国建国から7年後の1956年に、当時の周恩来首相の肝いりで創設された。中国初のBSL-4実験室(国際的な生物安全基準の最高クラス)を備えた国内最高峰のウイルス研究機関である。

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