「正多面体」に「円錐」、聞いたことはあるけど何が面白いかちっともわからない……
そんな方でも大丈夫! 深くて面白い立体図形の世界をおなじみの「数学のお兄さん」が優しく紹介してくれます!
数学の単元でも、とりわけ苦手だった人が多い分野の一つ、それが「立体図形」。平面図形よりも立体図形は想像しにくく、扱いにくい単元ではあることは確かです。
ただ、踏み込んでみると面白い話はいろいろと詰まっている単元ですので、今回はその一部をご紹介していきましょう。
【雑学33】正多面体が5種類しか存在しない理由
まずは立体の話で外せない話題から取り上げましょう。それは「正多面体」です。
正多面体がどんなものか、文章で説明する前に実際に図を見てみましょう。正多面体とはこんな形の立体のこと。
図を見れば「ああ、こういう立体ね」というのがわかるはずです。その特徴を言葉で説明するならば、
・すべての面が同一の正多角形で構成されている
・すべての頂点において接する面の数が等しい
という2点が挙げられる、凹みがない多面体のことです。誰もが紙面上では一度は見たことある立体のはずです。
この正多面体、実は5種類しか存在しません。面の数が少ない多面体から「正四面体」「正六面体」「正八面体」「正十二面体」「正二十面体」と名称がついております。
いわずもがなですが、面の数によって名称が決まっております。正六面体が最もなじみのある、別名「立方体」と呼ばれる立体です。
今回掘り下げていくのは、さきほど触れた「正多面体は5種類しかない」ことがなぜ説明できるのかという話なのですが、その話をする前に、それ以外の正多面体の性質について触れていきましょう。
筆者が個人的に感動した話は、「5種類の正多面体、1辺の長さを同じにしたときに、どの正多面体が最大になるか?」というもの。
ぱっと言われただけだと、「最も面の多い正二十面体が最大になるはず」と考えがちですが、それは不正解です。
実際に最も大きいのは、正十二面体なのです。正十二面体がどれくらい大きいか、実際に作ってみました。左から2番目が正十二面体です。
正十二面体、非常に大きいですね。
なぜ正十二面体が最大になるのでしょうか。