自身の出産経験から、世の中のママたちに役立つ情報を提供したいと考え、「Yahoo!検索」のビッグデータを解析したデータアナリストの稲葉真裕さん。「データママ」と呼ばれる稲葉さんの分析にかかれば、「小学１年生が宿題をしなくて親が悩む日、登校班でトラブルになる日」もわかるんです。
生後102日目頃、わが子をモデルに応募したくなる
女性が子供を出産したあと、夫へのイライラが最も大きくなるのは生後45日目頃、子供の指しゃぶりが気になるのは生後56日目頃、髪の毛の逆立ちが気になるのが生後61日目頃、わが子をモデルに応募したくなるのは生後102日目頃――。
これらは、女性が子供を出産した後にどんな悩みや課題に直面するのかを「Yahoo!検索」の検索キーワードのビッグデータから解析してわかった、ママさんたちの「育児あるある」です。
この解析を行ったきっかけは、今から約5年前、私自身が妊娠・出産と育児を経験したことでした。
日々何もかもが生まれて初めて直面することばかりです。妊娠中は、自分の身体や心が刻々と変化することに、楽しみと同時に大きな不安を感じていましたし、出産後は母としての責任感が生まれるとともに、目の前の赤ちゃんについてわからないことだらけで、オロオロし続ける毎日でした。
「急に全身ぼちぼち真っ赤な湿疹が出てきたけど大丈夫だろうか……」
「ミルクをマーライオンのように勢いよく吐き出したけど、どこか悪いんじゃないか……」
「どうしてずっと泣きやまないんだろう……」
ところが、そんな悩みをママ友に相談すると、みんな同じような不安を抱えていたり、はたまた先輩ママに聞くと、「うちもあったよ！（笑） 大丈夫大丈夫、みんな同じよ！」と笑い飛ばして激励してくれることがほとんどでした。
悩みや課題が一目瞭然
彼女たちの話を聞いているうちに、「これって自分だけではなく、育児中のママ共通の疑問や悩みなのかも！」と、ふと気がつき、こんなことを考え始めました。
「世の多くの育児中のママに共通するであろう悩みやニーズを、ヤフーが持つビッグデータから解決できないだろうか——？」
そこで着目したのが、「Yahoo!検索」の検索キーワードです。
インターネットが当たり前になった今、知りたいことやわからないことに出会った時には日常的にスマホやPCで検索をしますよね。私も妊娠・子育て期間中を振り返ると、人生のなかで最も頻繁にネット検索をしていた時期だったと思います。
「Yahoo!検索」には、日本中の人々が検索したキーワードのビッグデータが大量に蓄積されています。そのデータを分析すれば、人がいつどのような悩みや課題に直面したのか、一目瞭然になるのです。
「明日、１週間後、あるいは１ヵ月後に、自分がどんな事態に直面してどんな悩みを抱くようになるのか、それが事前にわかったら、なんて便利で心強いだろう！」
こう思い立ち、早速分析に取りかかったところ、出産を控えた女性や、育児中のママ・パパの役に立つような興味深い発見をたくさん得ることができました（気になる方は、ぜひこちらのレポートもご覧ください）。
