2020.04.10
# 天体観測

4月10日 ブラックホール撮影が発表される(2019年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1年前の今日、複数の電波望遠鏡を結合させた国際協力プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(Event Horizon Telescope:EHT)」が記者会見を行いました。

その内容はなんと「ブラックホールの存在とその影を撮影することに世界で初めて成功した」というものだったのです。

撮影されたブラックホールシャドウ(中央の黒い部分) Photo by 国立天文台

ブラックホールの存在を初めて予言したのは、かのアインシュタインであるとされています。彼の発表した有名な一般相対性理論から、ブラックホールは周囲の明るく輝く物質に対して影のように暗く見えるとされてきました。

EHTはこうした理論的予測に基づき、ブラックホールを画像で捉えるために立ち上げられたものです。

EHTは、超長基線電波干渉計(Very Long Baseline Interferometry:VLBI)を用いて観測条件の良い8つの望遠鏡を同期させました。これにより、地球サイズの仮想的な望遠鏡が完成するのです。しかし、これらの望遠鏡はハワイの火山やチリの砂漠、果ては南極に散らばり、同期自体が困難でした。

同期した望遠鏡は、解像度20マイクロ秒角という極めて高い解像度を実現しました。これはヒトの視力に換算すると300万にも及び、地球から月面においたゴルフゴールが見えるほどだといいます。

この性能によって2017年4月におとめ座にある楕円銀河「M87」の中心にある巨大ブラックホールを観測した研究チームは、画像化や検証に2年間をかけて、この日の発表に至ったのです。

日本の貢献も大きなものでした。まず、観測に用いられた8つの望遠鏡のうち、最高の性能を持つアルマ望遠鏡を含めた2つの望遠鏡の建設や運用に携わっていました。また、データを画像に復元する手法は、MIT研究員の秋山和徳氏を中心とした日本人のチームによって開発されたのです。

アルマ望遠鏡 Photo by iStock

そしてEHTの日本チームで代表をつとめたのが、国立天文台教授の本間希樹氏。氏の著したブルーバックス『巨大ブラックホールの謎』では、こうして観測されたブラックホールの姿から何がわかるのか、丁寧に解説していただいています。

巨大ブラックホールの謎
宇宙最大の「時空の穴」に迫る

ブラックホール撮影を成功させた国際チームのリーダー本間先生による、世界中の望遠鏡を総動員して挑む"ブラックホール直接撮像"への挑戦! ブラックホールを探す仮想望遠鏡の大きさは直径が1万キロメートル!? ブラックホール撮影を詳しく解説した1冊です!!

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