(本記事は、山田 美樹氏の著書『外資系で学んだすごい働き方』プレジデント社の中から一部を抜粋・編集しています)

「移動可能」なスキルを深める

外資系で学んだすごい働き方
(画像=garagestock/Shutterstock.com)

専門スキルを高めることは仕事の基本ですが、さまざまな業界、職種で通用する汎用的なスキルを持つことも、人材価値を高める上では非常に重要です。英語では、「トランスファラブル(移動可能な)スキル」「ポータブル(持ち運びができる)スキル」などと呼びます。特定の企業だけで通用するスキルではなく、違う企業、異なる業種、あるいは異なる職種でも通用するスキルということです。

たとえば、「論理的な思考力」「コミュニケーション力」「調整力」なども移動可能なスキルの一つです。

働く場所がグローバルに広がっていく中では、コミュニケーション力の一つである英語力や異文化コミュニケーション力も重要になっていきます。

これら汎用性の高いスキルは、キャリアのステージが上がるにつれて、ベテランになるに従って、重要度が増していきます。どの企業、どの業界、どの職種でも、あるレベル(中級レベル2)以上の仕事をしている人には、必要とされる能力です。専門スキルだけに注目しがちですが(もちろん専門スキルも大事です)、汎用性の高いスキルも若いうちからコツコツと身につけていきましょう。

特に、転職をする上で汎用性のあるスキルはとても重要です。

私自身、会計事務所を経て、全く未経験の職種である人事分野のコンサルティング会社に転職しましたが、この時にはトランスファラブルスキルを評価されたのだと思います。

汎用性の高いスキルのレベルが高いと、新しいところに飛び込んでも、そこで何が必要かをすぐ見抜くことができます。求められる知識、スキルや人間関係を素早く把握し、ロケットスタートで頭角を現すことができる。

こういう人はどこでも必要とされます。キャリアアップもしやすく、異業種でもジェネラリストとして評価され、転職もしやすい。雇用不安を感じる人は早くから、「トランスファラブルスキル」を身につけるようにしましょう。

外資系で学んだすごい働き方
山田 美樹(やまだ・みき)
1975年埼玉県行田市生まれ、行田市育ち。
上智大学比較文化学部卒業後、オックスフォード大学大学院社会人類学修士(M.Phil)を経て、欧州系戦略コンサルティングファームCVA、グローバル会計事務所Deloitteに勤務。その後、ロンドンビジネススクールにてMBAを取得し、組織・人事領域を専門とするコンサルティングファーム、ワトソンワイアット(現Willis Towers Watson)に入社。これまで、大手企業を中心に15年以上、100社以上の経営戦略を実現する組織と、個人のミッションを実現するキャリアの構築、ハイパフォーマンス人材の発掘・評価を支援。現在は、大手外資系ヘルスケア企業にて、社内の人事戦略立案、人事課題の解決に従事。共著に、『攻めと守りのブランド経営戦略』(税務経理協会)。GCDFキャリアカウンセラー(Global Career DevelopmentFacilitator)、認定レジリエンストレーニング講師。寄稿、講演 多数。同書が初の単著。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます