ニューヨークはもはや第2の武漢
残念ながら、新型コロナウイルスの感染拡大は、人との交流を遮断しなければ収まらない。これは世界の常識なのだが、日本だけが違う道を走っている。
感染者ルートを辿ればいいんでしょ、熱があるような新型コロナウイルス感染者の症状に似ている人との接触を避ければいいんでしょ、風邪に似た軽い症状の場合は、回復して2週間自主隔離すれば自由に行動できるんでしょ、では済まないのだ。なぜなら、世界中で感染を拡大させている人の正体は「元気で無自覚な人」なのだから。
現在、筆者が住んでいるニューヨークは、もはや第2の武漢だ。アメリカは世界一新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染者数が多い国であり、アメリカのなかで新型コロナ感染者数が一番多い州がニューヨーク州であり、ニューヨーク州のなかで新型コロナ感染者が一番多い市がニューヨーク市であり、ニューヨーク市のなかで新型コロナ感染者が一番多い区がクイーンズ区であり、現在そのクイーンズ区からこの原稿を書いている。ニューヨーク市ではクイーンズの次に多い区がブルックリンで、その次にブロンクス、そしてマンハッタンと続く。
3月16日、全レストランが閉鎖された日のニューヨーク・タイムズスクエア。人影もまばら
そのニューヨークだが、3月1日の時点では新型コロナ感染者はたったの1名だった。そして3月31日になると新型コロナ感染者は7万5000名を超えた。たった1ヶ月で、7万5000名になり、4月6日現在、ニューヨークは13万名以上が新型コロナに感染している。死者数は4758名。ワシントン大学の試算によると、ニューヨークでは1万6000名の死者が出るとされている。
新型コロナ感染者が急激に増えた理由は後述するが、まずは冒頭に書いた「元気で無自覚な人」の説明からしなければいけないだろう。