多くのブロックチェーン基盤ソリューションが、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックのさらなる拡大を防ぐ取り組みに挑んでいる。アラブ首長国連邦(UAE)は、1年以上前からブロックチェーン基盤システムを一部運用しており、これを機にすべての政府サービスをリモートで利用できるよう推進するという。同国国営のエミレーツ・ニュース・エージェンシー(WAM)が3月25日に報じた

紙の書類の受け取りを停止、デジタルIDや電子書類を推進

WAMによると、UAEの地域社会開発省(MOCD)は、パンデミックを抑えるためのスマート・ガバメント指令にのっとり、政府サービスの継続性と柔軟性を確保するとの声明を発表したという。紙の書類の受け取りを止めて、デジタルID利用や電子書類を推進することで、同国民が自宅にいながら、ブロックチェーン基盤システムなどすべての政府サービスをリモートで利用できるようにするそうだ。

ブロックチェーン基盤システムを1年以上前から運用

MODは、ブロックチェーンを用いた(親子・家族・婚姻関係などを証明する)「関係者」証明書をはじめ、文書の電子化およびデジタル認証を1年以上前から運用しているという。2020年3月時点で、ブロックチェーン基盤システムを介してすでに2900以上の文書を認証済みとしている。またこのシステムは、電子メールやシャットシステムを介し同国民が問い合わせ可能で、記事掲載時点までに12万3000以上のメッセージを受け取り自動処理しているそうだ。

中国浙江省健康委員会と経済情報テクノロジー部門は、アリペイと共同で、チャリティー組織やイニシアチブの協調をさらに効率的に透明性を持って促すプラットフォームを導入した。支援物資の振り分けを行い、医療器具の供給と需要網を追跡して記録するという。

米国国土安全保障省(DHS)は3月19日、パンデミック拡大阻止のガイドラインを発表した。ロックダウン(都市封鎖)など重大な危機的状況においても、米国民が依存するサービスの維持に必要かつ重要な労働者候補をリストアップしており、食品・飲料水・飼料流通におけるブロックチェーン基盤システムの管理者も含まれている。

新型コロナウイルスが猛威を振るっているイタリアで3月12日、同国のイタリア赤十字がビットコインやアルトコインでの募金活動の開始を発表した。トリアージ(重症度に応じて治療の優先度を決めること)に使われるほか、医療スタッフの支援に充てる。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン