NYダウが回復する一方でビットコインは6400ドルのサポートレベルを死守している。仮想通貨トレーダーたちは短期では少なくとも7500ドル付近まで反発すると考えていたが、その見立ては外れているようだ。安堵感からくるビットコインの上昇相場は早くも終わりになっているのではないかと警戒感が高まっている。

仮想通貨デリバティブ(金融派生商品)を手がけるビットメックスなどで買いと売り注文のバランスが悪く、ビットコイン先物の建玉数も減少していることから買い手の需要が少ないことがわかる。2018年12月以降で見られたように、歴史的にビットコイン相場が完全な「降参」に近い状態になれば、元に戻るまでに長い蓄積フェーズを経ている。低い水準での取引は続くかもしれない。

スキューによると、CME、ビットメックス、バイナンス、OKEx、フォビを含めたビットコイン先物の建玉は3月1日の42億ドルから半分以下となった。

Bitcoin futures aggregated open interest drop建玉は、「ロング」や「ショート」などトレーダーが持つポジションの総数を表す。建玉が多いほど、投資家の長期的な関心が高いことを示すと考えられている。

前回ビットコインが3000ドル台まで下落した時は、7000ドルや8000ドル台まで回復するのに4ヶ月もかかった。今回、3月13日に3700ドルに一時下落してからすぐに反発。これほど速いペースでの反発はビットコイン市場で見られなかったことだ。

安堵のビットコイン上昇相場は終わり?

PentarhUdiなど複数の著名トレーダーは、テクニカル的にビットコインの回復相場は続くとみていた。ビットコインは5200ドルから6900ドルまでしっかりと回復したが、歴史的に強いレジスタンス水準で跳ね返されている。

PentarhUdiは、200日単純移動平均線にある8500ドルまで回復の可能性を指摘していたものの、「グローバル市場で弱気相場が続く可能性が高い」として強気予想を撤回した

ビットコインは60%以上の調整からV時回復を短期間で達成したことはない。しばらく蓄積期が続く可能性があるだろう。

また、ベンチャーキャピタリストのクリス・バーニスケ氏は、2018年末につけた安値である3000ドル台まで再び下がる可能性がある予想した

「歴史的に私は200週移動平均線(黄色の線)を相場の底として頼っているが、木曜日に5500ドルで底を下回ってしまった」

一方、仮想通貨トレーダーのDonAltは、アルトコインの弱さをビットコイン回復が遅くなる理由として挙げている

アルトコイン市場が冷え込んでいるということは投資家のリスク意欲が回復していないことを示している。歴史的にビットコイン回復の前にアルトコインが回復してきたが、現在はイーサもビットコインキャッシュもビットコインや米ドルに対してほとんど動いていない。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン