ここに表示された見解および意見は、著者のものであり、必ずしもコインテレグラフの見解を反映するものではありません。すべての投資とトレーディングにはリスクが伴うため、意思決定の際に独自の調査を実施する必要があります

ビットコイン/ドルは前回に記事で「押し目買いを検討するのであればできるだけ$7508~7667、$7196~7382に引き付けた方が良い」と記載したが、5月16日に一つの押し目買い推奨ポイントである$7196~7382まで急落し、このポイントがサポートとなって再度、上昇する格好となっている。(図1参照)

(図1 前回の記事で記載した押し目買い検討ポイントで反発したビットコイン)

この急落はファンダメンタルズの観点から見ればニューヨーク州最高裁判所がTether社とBitfinexに対し、USDTの準備金の移動を原則的に禁じる命令を出したと報じられたのが原因ではあるが、テクニカル的観点から言えば、前回の記事から記載している移動平均線からの上方乖離しすぎの水準に達していたためだと考えられる。

5月16日の前日である15日にはビットコインの価格は複数の移動平均線から過去最大レベル(2017年のバブル絶頂期は除く)で上方乖離しすぎの水準に達していたために、テザー社のニュースが出る前に反落を示唆するサインは出ていた。(図2,3,4参照)

(図2 5月15日の移動平均線上方乖離1)

(図3 5月15日の移動平均線上方乖離2)

(図4 テクニカル観点から見た5月16日に急落の原因)

テクニカルで有名なダウ理論では「テクニカル分析はファンダメンタルズを織り込む」という考え方が提唱されているが、このような形で価格を揺るがすファンダメンタルズが発表される前にテクニカルのサインが出ることはよくある話だ。

そのためテクニカルを身に着けることで大衆よりも一歩先を読み解くことができる。

$7196~7382できっちりと反応して上昇しているものの現在のビットコインは色々な観点から見ても少し過熱しすぎな状態となっているために反落には警戒しながら取引をする必要がある。

以前の記事でも記載したが私はビットコインの価格を分析する上でマイクロソフトの価格(MSFT)を参考にする。

なぜならば、インターネットバブルを牽引したのがマイクロソフトであり、仮想通貨バブルを牽引したのはビットコインであるために共通点があるはずだと考えているためだ。

そして、占星術などを活用した分析から今年のビットコインの値動きは2010年のマイクロソフトの価格の動きと似たような動きをすると結論に至った。

詳しいことは以前の記事を見て欲しい。

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2010年のマイクロソフトの価格の動きは底値から継続的に上昇して、約113%上昇した地点で上値を抑えられた。(図5参照)

(図5 Microsoftの過去分析)

仮にビットコインで同じポイントが意識されるのであれば$6784近辺が意識されるはずだった。この価格近辺は過去に何度も上値が抑えられた価格でもある。

しかし、結果的には5月11日にストップロスを巻き込み大陽線を形成して上昇した。

ここで大陽線が出現して上昇したということは同じような分析を行っていたプロ投資家達は$6784からは下がると踏んでショートを仕掛けており、ストップロスを$6784の少し上においていたことが予測される。

この観点から$6784よりも上の価格帯は少し過熱しすぎの状態だと言える。

現在のビットコインがやや過熱しすぎな状態だと言える根拠はこれだけではない。

5月9日ではUSDの金利が過去最大レベルに高騰した。

USD金利が高騰した理由としては多くの人がUSDを借りてBTCを購入したいという需要が増えたためだ。

通常であればUSD金利が高騰すると価格は一旦頭打ちになる傾向がある。なぜならば、USDを借りてBTCを購入している投資者側の心理としてはUSDを借りる金利以上のリターンが望めなければ損失になる可能性があるのでリスク回避として一旦利確が起こりやすくなるからだ。

しかし、9日は価格が抑えられることもなく逆に上昇していったために、これも一つの異常値だと捉えることができる。

また、11日に$6784を大陽線で突破したのちに、13日に軽く調整をつけて、この価格近辺まで戻ってきた際にCME(一部大口投資家)が今までショートしていたポジションをドテンロングに切り替えた。(ここまで図6参照)

(図6 過熱状態から読み解く押し目買いゾーン)

そして、ロングショート比率を見ると今までずっとショートに偏りすぎな水準にいたために、それを燃料に上昇しやすかったが、現在はややロングに偏りすぎ(まだ過去最大レベルではないために余裕はある)な水準に来ている。

そして、移動平均線乖離も相変わらず、いくつかの移動平均線からは上方乖離しすぎな水準を維持している。

他にも理由はいくつかあるが、これらの理由から$6063~$6784から上の価格はあまり中身の伴ってない上昇(異常値)だと言えるために反落には警戒したい。

しかし、これらの反落材料とは裏腹に現在はハッシュレートなどビットコイン本来の価値を示す指標の伸びは好調であるために、そこまで下落するような状況にも至ってないために非常に微妙な状況ではあるが、新規でビットコイン購入を考えている方もレバレッジプレイヤーもできれば$6063~$6784まで引き付けて下値が堅いようであれば押し目買いを検討した方が良さそうだはある。

また、簡単なテクニカルで見てもこの価格帯はリバーサルヘッド&ショルダー(逆三尊)の左の谷の底値部分でもあるために押し目買いを拾うポイントとして意識されやすい。(図7参照)

(図7 意識されやすい逆三尊)

現在、注目すべきパターンとしては$7503~7709でリバーサルヘッド&ショルダー(逆三尊)を形成中であり、ここがサポートとなるのであれば上昇維持した青のパターンのような動きを想定しておくと良いだろう。(図8 参照)

逆にこのポイントを下抜けてくるようであれば$6063~6784まで引き付けて下値が堅いようであれば押し目買いを検討した方が無難そうだ。

いずれにせよ、$6063~$6784から上は今の状態だとやや過熱感が出ている状況なのでレバレッジプレイヤーは特に資金管理にはくれぐれも注意。

(図8 意識すべきゾーン)

著者 トシムリン
学習プログラム「トレード帝王学」(仮想通貨を含むトレード学習に適する)で講師を務める。ヘッジファンドトレーダーなどの一部のプロしか辿り着けないトレードの真髄を人数限定で伝授!初心者も安心して学べて、大衆に惑わされず安定的に稼げる本質的トレーダー育成にフォーカスした日本トップレベルのトレード学習コンテンツを目指している。

トレード歴14年の現役為替トレーダー。20歳の頃から一度も就職することなく専業トレーダーとなる。6年間はトレードが上手くいかず一時借金を背負ったが、研究と分析を積み重ねて独自手法を編み出し、7年目からプラス収益となり、そこからは安定的に利益を出し続けている。 元ヘッジファンドトレーダーからトレードを学んでいた経験があり一般投資家が持ちえないマーケットの内部構造を多角的に分析して市場を予測していくことが得意分野。 分析能力と育成能力に定評があり、トレード教育によって多くの常勝トレーダーを輩出している。プロップファームのトレーナーも務めている。 「人生を通してこれからの激動な時代に向けて自分自身で稼げる本質系投資家を多く育成し、日本の投資教育のレベルを底上げすること」をミッションに掲げる。座右の銘は、「習慣は才能を超える」。