近年、好況が続く不動産市場で、投資用マンションの動きも非常に活発だ。特にサラリーマン大家に人気なのが都内の投資用マンションだ。賃貸利用者で埋まっている物件は、安定した収益を見込める。今回は数多くの物件の中から、不動産投資を成功するマンションを選ぶのに、ふさわしい条件はどのようなものなのか、考えてみよう。

何よりも大事な選定ポイントは「立地」

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(画像=SakarinSawasdinaka/Shutterstock.com)

投資用マンション選びで最も重視すべきなのが「立地条件」である。マンションの資産価値は、立地条件で決まると言っても過言ではない。どんなにオシャレなデザインで、設備の優れたマンションでも、立地が悪ければ、求める人は少なく、借り手も少なくなってしまう。

それでは、一体どのような立地が良いのだろうか。一番分かりやすいのが、最寄り駅までの距離だろう。多くの入居者は、通勤や通学など、さまざまな移動で電車を利用する。最寄り駅から近いということは日常生活での大きなメリットであり、「そこに住みたい」と思える重要なポイントなのだ。駅から近い物件は、交通の利便性だけでなく、普段の生活環境としても優れている。なぜならば、スーパーやコンビニエンスストア、医療機関、飲食店など、生活に便利な施設は、駅周辺に集まっていることが多いからだ。生活利便性が十分整った住環境こそ、居住する立地として高い資産価値を維持する条件となる。

駅周辺以外であれば、緑豊かな大きな公園施設が目の前に広がる場所や、海や川が目の前にある「ベイビュー」の立地も、眺望が良いということで、人気を集める条件になるだろう。

マンションの「最寄り駅」にも注目

立地や周辺環境と合わせて、最寄り駅の「駅力」も重要だ。都内には多数の鉄道が縦横に走っており、数えきれないほどの駅があるが、駅によって施設の充実度や路線の利便性などは大きく異なる。これは通勤や通学にも大きな影響を与える。最寄り駅の沿線上に主要なターミナル駅があるかどうかや、主要駅までの所要時間も大切なポイント。特に、急行や特急などの停車駅であるかどうかは大きな判断要因になる。

都心部に行くのに何度も乗り換えたり、時間がかかったりする駅が最寄り駅となっている物件は、たとえ駅近でも、積極的に住みたいと思われる環境ではない。投資にも適した条件とは言いにくい。

立地から浮かび上がる入居者ターゲット

立地や利便性から、そのエリアの主なターゲット層が見えてくる。例えば、都心部であれば、アクティブなライフスタイルのシングル世帯が多くなるだろう。商店街などが充実し、生活のしやすさが重視される準都心エリアでは、シングル・DINKS(共働きで子供のいない世帯)・ファミリー世帯などが幅広く混在することになる。ターゲット層で、投資すべきマンションの広さや間取りは変わるのだ。

都心部にある3LDKなどの広い間取りは、富裕層がターゲットとなり、しかも、購入費用が大きくなるため、投資用マンションには適さないだろう。シングル世帯を主なターゲットとするならば、多くの場合、20~30平方メートルのワンルームで十分だ。余計な条件を設定して高い投資をすれば、周辺より賃料が上がり、空室リスクを高めることになりかねない。投資の収益性にも大きく影響するだろう。

一般的には「日当たり良好」「角部屋」は賃貸物件の好条件とされるが、都内のシングル世帯は、昼間は仕事で家を空けている時間が長い。日当たりの良さや角部屋であることに、どれだけの価値を見いだすかは疑問だ。

今回は都内の投資用マンションを選ぶポイントについて考えてみた。不動産投資は、いかに良いマンションを安く手に入れるかがポイントで、そのためには、必要な条件と不必要な条件を見極めねばならない。設備面や日当たりなどの条件は大事だが、何よりも重要なのは「立地」であり、最寄り駅を含めた「生活利便性」である。ぜひ参考にしてほしい。