出世したいならゴマすりのプロになろう!

書籍内の画像より引用


「ヨイショ」「ゴマすり」というとネガティブな印象を持っている人も多いかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ、普通の人が嫌がったり、恥ずかしかったりしてなかなかできないことにこそ価値があるのです。

私はこれまで、「絶対にこの人にはかなわない」という人にも会いました。その人のやることなすこと、わかりやすすぎるくらい「ゴマすり」なのです。ゴマすりも極めれば嫌味にもなりません。むしろ尊敬に値します。

その人はA社に勤務する「すり夫」(仮名)さんです。「すり夫」さんはどちらかといえば、カッコ悪い容姿です。背は低く中年太り、髪は薄くファッションセンスもありません。しかし、ゴマすりの腕前は天下一品なのです。

「いや~、社長、そのネクタイ、とてもすばらしいセンスでいらっしゃいますね」ネクタイをほめるのはゴマすりの代名詞のようなものですが、その「すり夫」さんは臆面もなく、堂々とゴマすりの王道をいきます。

「社長、いまのお言葉、すばらしいですね。大変恐れ入りますが、お言葉を書にしたためていただくことはできませんでしょうか?」。そういって、さっと懐から毛筆ペンを出し、自分の手帳の一番前のページを差し出します。

「ええ、こんなところに書いちゃっていいのかね。大事な手帳でしょ?」と社長。「いいんです。社長のお言葉、本当にすばらしいものでしたので、ぜひ、お願いします。むしろ色紙を用意しておらず、申し訳ございません」と、すり夫さん。

「すり夫」さんのテクニックは本当に聞いているこちらの背中がムズムズしてくるようなゴマすり術でした。とにかく「相手を尊敬している」という態度を、あれやこれやのテクニックを使ってゴマすりまくるのです。ゴマすりも極めれば、立派なテクニックです。

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※12冊目となる『波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)を上梓しました。