ZOZO前澤社長にPayPay…「バラマキ戦法」のホントの効用

ある意味、最強の顧客獲得手段だ

電子マネー「PayPay」の100億円キャンペーン、ZOZO前澤社長の1億円お年玉、消費増税のポイント還元策など、このところ社会のあちこちでバラマキ戦法が多用されている。思い切った手法ということで評価する声がある一方、批判的な意見も見られる。「バラマキ戦法」にはどのような効果があるのだろうか。

10日間で100億円の予算を一気に消化

昨年末、電子マネーPayPayが行った「100億円あげちゃう」キャンペーンが大きな話題となった。これはPayPayを使うと支払額の20%がポイントで還元され(月額5万円相当が上限)、かつ40回に1回の確率で10万円を上限として決済した全額が還元されるというもの。

キャンペーンは主にビックカメラやヤマダ電機など家電量販店で行われたことから、これらの店舗には顧客が殺到し、中には長蛇の列が出来たところもあった。当初、このキャンペーンは2019年3月31日までとしていたが、フタを開けてみるとあっという間に100億円を使い切ってしまい、わずか10日間で終了となった。

〔PHOTO〕Gettyimages

電子マネーはまだ十分に社会に認知されたとはいえない状況だが、電子マネーに疎い人でも、PayPayのキャンペーンについて話題にするケースが多かったことを考えると、かなりの宣伝効果があったのは間違いない。

年が明けると、今度はZOZOの前澤友作社長がツイッターで総額1億円(100名に100万円)のお年玉をプレゼントする企画をブチ上げた。

前澤氏のツイッターをフォローし、この企画を発表した前澤氏の記事をリツイート(他人が投稿した記事を再度、投稿すること)するだけでよいという手軽さから、ネットでは情報が一気に拡散。それまで約50万人だったフォロワーが、一時は600万人を超え、国内のフォロワー数としては一気にトップクラスの仲間入りをした。

 

企画は7日で締め切られたが、締め切り時点でのリツイート数は550万を突破しており、リツイート数については世界記録を樹立している。

ツイッターで企業が懸賞を行うのはよくあることだが、各社とも利用者の獲得には常に頭を悩ませている。今回は著名人が行ったものだったことに加え、1人あたり100万円と金額が大きかったこともあり、あっという間に社会に拡散した。

結局は多額の現金バラマキ作戦がもっとも手っ取り早い方法だったということであり、顧客獲得について日夜苦戦している企業のネット・マーケティング担当者の中には、大きなショックを受けた人もいるに違いない。

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