フランス人の「人付き合い」が、日本とここまで違うワケ
個人主義とも、ただの親切とも違う「個人主義」とは言い切れないフランス人
「個人主義とは、国家や社会よりも、個人の権利や自由を尊重する考え方をいう」
私たち日本人にとって、「フランス人は個人主義である」というイメージがあります。
たとえば、「他人に対して無関心で、自分を優先する」、「相手の気持ちを考えずに、自分の意見を主張する」。そんな考え方や態度を思い浮かべるのではないでしょうか。
ところが、フランスに住んでみると、「フランス人は個人主義である」ということが、必ずしも当てはまらないことがわかります。
フランス人は親切?
フランス人は目が合ったら笑顔になり、積極的に挨拶を交わします。困っている人にはすぐに声を掛け助けてくれるなど、他人とのかかわり合いを積極的に持つ面があるのです。
そんな例を5つご紹介しましょう。
バスや電車を待っていてなかなか目当てのバスが来ないとしましょう。そんなときは、あちこちでこんな会話が始まります。
「本当に遅いわね、どうしちゃったのかしら?」
「もう30分も待っているのよ」
ワイワイガヤガヤ。徐々に井戸端会議の人数が増えていき、バスが来るまで会話が続きます。
日本では階段で立ち往生している若いお母さんを見かけても、素通りしてしまう人も多いものです。フランスではベビーカーを押して歩いている人が段差や階段に差し掛かかると、必ずそばにいる人がベビーカーの反対側を持って一緒に運んでくれます。
新米ママがベビーカーでお出かけしても大丈夫。フランスでは、みんなが子育て中の人を助けてくれるという風潮があります。子どもは社会で育てるものという意識が強く根付いるのです。
電車の中で赤ちゃんが大声で泣いても、冷たい視線を感じることはありません。「今は大変だけど、がんばって!」という暖かい言葉や態度で接してくれます。赤ちゃん連れの人は、スーパーのレジでもタクシー乗り場でも行列の先頭に誘導されます。