SBIホールディングス子会社で仮想通貨関連のベンチャー企業への投資を手掛けるSBIクリプトインベストメントは15日、スイスの仮想通貨ウォレット企業Breadwinner AG(ブレッドウィナー)に出資したと発表した。出資額は公表していない。SBIはウォレットやセキュリティ関連の仮想通貨企業に積極的に出資している。SBIはグループ内の既存の企業とのシナジーを追求していくとしている。

ブレッド社はモバイル向けのウォレットアプリ「BRD」を提供している。SBIクリプトの発表によれば、170ヵ国で180万ユーザーにサービスを提供している。

SBIでは今回のブレッド社以外にもセキュリティ関連やウォレット関連の企業への出資や連携を強化している。

昨年3月には仮想通貨のコールドウォレット事業を展開するCoolBit Xに出資した(出資比率は40%)。また暗号鍵の管理システムを開発するデンマーク企業のSepiorには49%の出資を行っている。Sepiorとは、SBIが運営する仮想通貨取引所SBIヴァーチャルカレンシーズ向けのウォレットを共同開発している

SBIホールディングス 2019年3月期 第2四半期 決算説明資料より

SBIグループでは、子会社のSBIセキュリティソリューションで、投資先企業の技術を統合したセキュリティーソリューションを開発し、SBIのグループ各社に導入するほか、国内外で販売していく方針だとしている。

ウォレットとは、仮想通貨を保存・管理する財布のような機能。仮想通貨のデータ自体はすべてブロックチェーン上に保管されているので、厳密にはその通貨のデータにアクセスするための秘密鍵(暗号)を保管・管理している場所。ウォレットには、仮想通貨をオンライン上で管理するホットウォレットとオフライン上で管理するコールドウォレットの二種類がある。セキュリティを考慮するとオフラインであるコールドウォレットはハッキングされるリスクはゼロである一方で、コールドウォレット自体が物理的に破損する(秘密鍵の紛失)と自分の通貨にアクセスすることができなくなり、通貨を持ってはいるけど使えないといった事実上仮想通貨を失うリスクがある。そのためホットウォレットは紛失するリスクがなく、取引や売買においても容易に仮想通貨にアクセスできる利便性がある。長期保有を考えるならコールドウォレット、売買を頻繁に行うようであればホットウォレットといったリスク分散を心がける必要がある。

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