このページの本文へ移動

関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会(平成30年10月15日)議事録

本稿は、平成30年10月15日の関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会の議事録です。

 

午後4時20分開会

佐藤部会長 それでは、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会特殊関税部会を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては分科会より引き続き御出席をくださいまして、どうもありがとうございます。

 本日の議題はお手元の議事日程のとおりです。

 それでは、中華人民共和国産電解二酸化マンガンに係る課税期間の延長に関する調査の開始につきまして、升平特殊関税調査室長より御説明をお願いいたします。

升平特殊関税調査室長 特殊関税調査室長の升平でございます。

 本件について説明の前に1点補足説明をさせていただきます。今回の説明ですが、不当廉売関税に関する手続等についてのガイドラインに基づくものでございます。ガイドラインでは、調査開始が決定された場合には部会委員に通知するとともに、適当な時期に部会に説明をせよとされていることによるところでございます。また、今後、本件に関し、調査の結果、課税を延長すべきといった課税に関する何らかの方向性が出た際には別途、部会にお諮りすることとなります。

 では、資料の1ページをご覧ください。

 まず、「電解二酸化マンガンに係る不当廉売関税の現状」について説明いたします。本件不当廉売関税は、平成20年9月から始まっているものであり、当初はオーストラリア、スペイン、中国、南アフリカ、この4カ国が対象でございました。当初課税の5年間の後、1度の延長があり、その際オーストラリアにつきましては廃業したため除かれ、残る3カ国を対象に来年3月4日までを期限とした不当廉売関税が課税されている状況でございます。

 次に、対象貨物でございます。まず、二酸化マンガンの製造方法には幾つかございますが、その中で最も一般的であり、コストが安いとされる電気分解により製造されたものを電解二酸化マンガンと呼んでおりまして、これが対象となっております。現在、この電解二酸化マンガンの国内での用途は、そのほとんどがアルカリ乾電池やリチウム電池など充電できない一次電池の材料として使用されております。なお、この他に触媒や酸化剤といった用途もございます。

 次に、2ページの「調査開始の概要」について説明いたします。本年3月、東ソー日向及び東ソーの2社から、現在、電解二酸化マンガンに課されている不当廉売関税の延長申請の提出がございました。今回の申請では、中国産電解二酸化マンガンについてのみ延長が要望されており、南アフリカ産については生産撤退、それからスペイン産につきましては欧州市場向けということで対象から除外されております。また、今回申請のあった調査は、関税定率法第8条第27項に基づく課税期間延長の調査でありまして、第22項に基づく税率の変更に関する調査ではございません。このため、中国産の電解二酸化マンガンに対して現行の課税を継続するか否か、についての調査が求められているところでございます。

 今回の申請の概要でございますが、中国産電解二酸化マンガンの価格が正常価格とされる価格よりも安いこと、中国における電解二酸化マンガンの製造余力がかなりあること、また、中国産電解二酸化マンガンにつきましては、大市場である米国において約150%の不当廉売関税が課されており、米国への輸出は困難であって、他の輸出先が求められていること、こういった状況がございまして、仮に現在我が国で課されている不当廉売関税が終了することになると我が国への流入が再開され、再び損害が発生することとなると記されているところでございます。この申請に関し、十分な証拠があり、かつ調査を行う必要があると認められたことから、本年4月、本件調査を開始することといたしました。

 次に、「調査手続きの流れ」について説明いたします。資料の3ページをご覧ください。調査については、原則、調査開始から1年以内に終了することとされております。現在、質問状、証拠の提出、現地調査と調査を進めてきたところでありまして、今後、これを取りまとめるところでございます。その結果、課税延長の必要性の有無を含め調査結果がまとまったところでこれを部会にお諮りし、御審議、御判断いただくこととなります。

 最後に、4ページの資料、「輸入及び国内需要の動向」について説明いたします。二酸化マンガンの輸入量ですが、当初の課税期間の際には波があり、かなりの輸入量があった時期もございますが、その後はおおむね減少し、最近ではおおむね止まっている状況にございます。

 なお、直近で海外から年間2,000トン弱程度の輸入がございますが、これは不当廉売関税対象外のコロンビアからの輸入がほとんどでございます。

 雑駁ではございますが、以上で説明を終了いたします。

佐藤部会長 ありがとうございました。

 ただいまの事務局からの説明につきまして、御質問、御意見等をいただきたいと存じます。おありの方は挙手ください。特にございませんでしょうか。

 ありがとうございました。特にございませんようです。

 説明の最初にありましたように、今日はここで何かを決めるということでもございませんので、御説明をいただいたということにいたしまして、以上をもちまして本日の部会を終了いたします。

 本日は御多用中のところ御出席くださいまして、どうもありがとうございました。

午後4時26分閉会