政府系商業銀行の中国銀行(BOC)は15日、金融サービス会社の中国銀聯(チャイナ・ユニオンペイ、CUP)と業務提携を結んだと発表した。業務提携契約によれば、両者はブロックチェーンを活用した決済システムを共同開発していくという。

 今回の提携は市場の需要と規制上の要件に対応するためのもので、越境モバイル決済の分野において両者が協力する機会を拡大する。BOCとCUPはビッグデータや分散型台帳の技術展開について共同で調査し、モバイルバンキング製品の改善をはかる。

 今回のイニシアティブの中で、CUPはモバイルの統合金融サービスのための統一ポートの構築を目指す。カード所有者がQRコードを使って、クラウド型の瞬時決済アプリで支払いや送金、取引ができるポートだ。

 一方、BOCは決済システムの普及プログラムを後日立ち上げ、「安全で利便性が高く、効率がアップしたモバイル決済サービス体験」を顧客に提供していく。

 12日、電子決済システムのセキュリティ向上のため、香港科技大学商学院に2000万ドル(約22億2000万円)の研究助成金が支払われた。大学は他の関係者とともに電子決済のセキュリティシステムの強化について議論し、当該分野でのブロックチェーン技術の活用について模索していく。

 先週、「業界の健全かつ秩序ある発展」を目指す動きの一環として、中国工業情報化部(MIIT)が国内でのブロックチェーン活用を加速するための方策をいくつか提言した。MIITは、金融分野から他業種(電子預金サービスやサプライチェーン管理、モノのインターネット(IoT)など)へブロックチェーンの利用を徐々に拡大していくことを意図している。