昨日の海外時間には、発表された米経済指標が弱い結果でドル売りが強まる場面もありましたが一昨日全面安となった各国株価が反発する中ドルが買い戻され、結果的に各通貨ペアともあまり水準を変えずに東京時間を迎えています。

今後の見通し

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(画像=PIXTA)

NYダウは、トランプ大統領が「米経済はこれまで以上に順調だ。我々の大切なドルには、過去にめったに見られないほどのマネーが流れ込んでいる」とツィートしたこともあってか約400ドル高となって、全般的にリスク選好の動きとなりました。そんな中NY時間に、ムニューシン米財務長官が「ブランソン牧師をすぐに解放しないのであれば、一段の行動を取る計画がある」と述べましたが、市場での反応は限定的なものとなりました。トルコ・リラはトルコ中銀が資金供給を通常の1週間物よりも金利の高い翌日物で行っていることから堅調に推移しています。しかし利上げなどの本質的な措置が取られていおらず、対外債務問題が意識される中、不安定な状態が続くと考えられます。

111.20円のドル売りポジションを維持

一昨日111.20円でドル売り円買いのポジションを作っています。リスク回避の動きで円買いが強まる可能性があると予想して、損切りラインを15日高値抜け111.45円において110円付近もしくは110円割れでの利食いを目指しています。

海外時間からの流れ

欧州時間序盤、欧州株が一旦下落したことからユーロ売りが優勢となって、ユーロドルは1.1350台まで、ユーロ円は125.80円台まで下落しましたが、その後はもみ合いとなりました。この間ドル円は110.80円台を中心とした狭いレンジ内での動きとなりました。

NY時間にはいって、発表された米・8月フィラデルフィア連銀景況指数、米・7月住宅着工件数が弱い結果だったことから米長期金利が低下したことから円買いとドル売りが強まって、ドル円は110.50円台まで、ユーロ円は125.70円付近まで下落し、ユーロドルは1.1400台まで上昇しました。しかしその後、米国家経済会議(NEC)委員長が「強いドルは米国経済への信頼の表れ」と述べたことに加え、各国株式が上昇する中、米長期金利も反発したことから円売りとドル買いが強まり、ドル円は111.10円台まで、ユーロ円は126.40円台まで上昇しました。

その後米長期金利がふたたび低下したことから、ドル円は110.80円台まで反落したあともみ合いとなりました。この間ユーロはトルコのリスクが意識されて売られ、ユーロドルは1.1340台まで、ユーロ円は125.80円台まで下落しましたが、NY時間引けにかけては、ユーロドルは1.1370台まで、ユーロ円は126.20円台まで反発しました。

今日の東京時間には日経平均が上昇したことからドル円は一時111円台を回復しましたが、その後やや下落しています。

今日の予定

今日の海外時間には、ユーロ圏・6月経常収支、ユーロ圏・7月消費者物価指数(確報値)、米・7月景気先行指数、米・8月ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOお客様コンサルタント。Twitterでも情報発信中 高野やすのり@takano_fxp