投資の落とし穴?カリスマの罠を避ける

「投資をしたいけど実行できない」
「投資額を増やすタイミングは?」
「いつ損切すればいいの?」

など、投資の悩みは多岐にわかります。そんな方に読んでもらいたい一冊があります。

投資への不安や抵抗が面白いほど消える本』(櫻井かすみ 著、こげのまさき イラスト)Gakken

投資への不安や抵抗の原因

皆さまは、投資についてどのように考えていますか? まず、最初に「投資の誤解」を取り除くことが大切だと、櫻井さんは言います。

「まさに誤解しまくってた私の失敗談、お役に立つかもしれませんので、暴露していきますね。今となっては笑い話もありますが、当時はホントに大変でした。ところで投資というと、こんなものを見かけたことはありませんか?『必ず儲かります!』『元本保証☆』『後で高く買い取ります』。はっきりお伝えします、こんな都合のよい話は存在しません。」(櫻井さん)

「金融庁のHPでも投資詐欺の可能性が高い文言の例として、このような情報を出しています。これらの案件は、入金・送金後に連絡がとれなくなるなど、詐欺的商法の可能性が高いため、よく知っている人からのお誘いであったとしても、取引を見合わせるのが賢明です」(同)

銀行に預けていてもお金が増えない時代です。手元にある資金を増やすには何から考えていけばよいのでしょうか? 櫻井さんはつづけます。

「投資というと、短期でお金を増やしていくイメージを持たれている方も多いかもしれません。そして、『投資を早くスタートしましょう!』なんて話をすると、すぐに利益が狙える投資に手を出さないとと、勘違いされる方が案外いらっしゃいます。ひとことで投資といっても、様々な金融商品があります」(櫻井さん)

「最近でこそ、国がNISAやiDeCoの制度を充実させているため、日本においても『投資』が、身近なものとして広がってきています。 しかし、SNSやネットなどで投資情報が気軽に見られるようになった半面、情報をうのみにして失敗する人や短期間で稼ごうとして大損する人も増えているのです」(同)

不動産投資コンサルに要注意

NORIMA/iStock

不動産投資のカリスマと呼ばれる人たちがいます。本を何冊も出しカリスマなどと呼ばれています。しかし彼らのなかには悪質な人が多いのです。最初に「不動産投資家募集」をうたい登録させますが、登録時点でかなりの費用がかかります。

「新築のアパートを建てたい人を応援します。私が土地を見つけてくるので、その土地を購入して、紹介した業者を使いアパートを建設します。あとは、うまく利回りができるように運営するだけです。超簡単ですよね?」

こんな具合に気軽に募集をかけるのです。

最後は、高利の負債だけが残ることになります。年収500~600万円程度のゾーンが狙われやすいのも特徴。平均年収よりちょい上で、どうにかして不動産を所有したいという欲求に付け込むのです。コンサルを崇拝しているから言われるがまま。

確実に儲かる物件があった場合、それが一般に出回ることは理論的に考えられません。第三者が美味しい情報に有りつけるほど甘くはないのです。

本当にオイシイ物件があるなら、筆者なら他人には紹介せずに自分で購入するでしょう。だから、皆さまも目利きの能力を鍛えなければいけません。

本書は投資初心者向けのわかりやすい本です。投資への不安をなくし、投資にチャレンジできる考え方や投資術をレクチャーする良著として紹介します。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)