なぜ私たちは何でも「誰かのせい」にするようになったのか…意外と知らない「根本原因」

なぜ組織の上層部ほど無能だらけになるのか、張り紙が増えると事故も増える理由とは、飲み残しを放置する夫は経営が下手……。

12万部ベストセラーとなっている『世界は経営でできている』では、東京大学史上初の経営学博士が「人生がうまくいかない理由」を、日常・人生にころがる「経営の失敗」に見ていく。

※本記事は岩尾俊兵『世界は経営でできている』から抜粋・編集したものです。

今回は、「健康」の観点からお話ししましょう。

いま世間の風潮としてはワーク・ライフ・バランスが重んじられるようになり、企業も社員が心身ともに健康な状態で働けるように配慮することが求められています。

しかし、いくら企業風土が変わろうとも、私たち自身が経営に失敗すれば、個人の健康はいとも簡単に損なわれてしまうのです。

例えば、塩分や糖分の摂りすぎは身体によくないということはよく知られています。しかし、過度に心配し過ぎて塩分や糖分を我慢しすぎると、その反動で大盛りラーメンをドカ食いしてしまったりしたらどうでしょうか。

1週間分の塩分と糖分を1日でドカ食いしてしまえば、プラスマイナスゼロどころか、血糖値や血圧の急上昇によって血管を痛め、別の病気を引き起こす危険性が高まります。つまり、部分的な合理性を追求して行動した結果、全体的な合理性を欠いてしまうのです。

また、1週間に1~2日でも休肝日を設けるだけで健康にはすこぶるプラスになるのに、「やっぱり今日も酒が飲みたい」という感情に流されて毎日飲酒してしまう(私も何度もこうした経験があります……)。

すると、やがては肝臓を壊して、大好きなお酒が全く飲めない生活になってしまうのです。短期的な利益を追求するがあまり、長期的な利益を損なっているのです。

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