多くの現代人が陥っている「意外な罠」…なぜ私たちは「最適解」を求めてしまうのか

なぜ組織の上層部ほど無能だらけになるのか、張り紙が増えると事故も増える理由とは、飲み残しを放置する夫は経営が下手……。

12万部ベストセラーとなっている『世界は経営でできている』では、東京大学史上初の経営学博士が「人生がうまくいかない理由」を、日常・人生にころがる「経営の失敗」に見ていく。

※本記事は岩尾俊兵『世界は経営でできている』から抜粋・編集したものです。

〈心労には「気にするから気になる」という側面がある。ゴールではなく細かいプロセスに目が向いてしまっているのである。

そこで、目的だけに集中して、他に気になることがあっても初手は「気のせいか」で済ます。相手が怒っているのか、助けが必要なのかなど、気になることは本人に直接きいた後に心配するよう心がけるといった手があるだろう。

プロセスに気をとられると目的への満足解ではなく最適解を求めすぎてしまい、それがまた心労を生み出す。

しかも日常生活で我々は最適解など求めていないし、そもそも最適解を求めるとかえって馬鹿なことになる。最適解など現実には存在しないと割り切る方が合理的だ。〉(『世界は経営でできている』より)

〈何か気になることがあっても、周囲が最適な行動をとっていないように思えたとしても「そもそものゴールに到達できるのならば別にいい」と吹っ切ってしまうのである。そして、「ゴールに到達できない可能性がある場合だけ、自分から何かアクションを起こせばいい」とあらかじめ決めておけば、意識すべき対象が絞られ、気も楽になり成果も出やすくなるだろう。〉(『世界は経営でできている』より)

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