2024.05.02

「乙武大敗」で都知事3選に黄信号、元ブレーンにも裏切られ…小池百合子「初の女性首相の夢」は潰えた

衰えた「嗅覚」

「選挙に強い」という「小池神話」が崩れた。4月28日に投開票された衆院東京15区の補選で、国民民主党が推薦し小池百合子都知事が支援した乙武洋匡氏は、立憲民主党公認の酒井菜摘氏に敗れた。

酒井氏の確定投票数は4万9476票。2位が格闘家の須藤元気氏、3位が日本維新の会の金沢結衣氏、4位が日本保守党の飯山陽氏で、乙武氏はそれに続く5位。確定投票数は酒井氏の半分に満たない1万9655票。見事な負けっぷりである。

乙武氏には不倫疑惑を報じられた過去があり、街頭演説の最中、そのスキャンダルを他党候補が大音声で割り込み妨害するなどの“被害”を受けたが、女性層を中心に反発されるのを承知で乙武氏を担いだセンスも含めて、小池人気に陰りを感じる人は少なくない。

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4月21日投開票の目黒区長選では、国民民主と小池氏の都民ファーストの会が推薦という同じ枠組みで戦った伊藤悠氏が、現職の青木英二氏に5000票以上の差をつけられて敗れた。単なる連敗ではない。

東京15区の酒井陣営幹部が、次のように率直な感想を漏らす。

「小池旋風はまったく感じませんでした。小池知事は12日間の選挙戦のうち9日も応援に入り、演説し選挙カーへの同乗を繰り返した。小池さんが想定した『自公相乗り』が実現しなかったのが敗因とする説もありますが、そうなったとしても乙武さんでは勝てなかった。それに相乗りでなければ、今回は自民批判をすべきなのに、都政運営で自民に乗る小池さんにはそれができなかった。流れを読む嗅覚が衰えたというしかありません」

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