2024.04.26

日本の保守勢力が「壊滅状態」に陥るなか、「新しい保守主義」運動が始まった「納得の理由」

衆院補選東京15区の様相

衆院補選東京15区で日本保守党から立候補している新人のイスラム思想研究者、飯山陽(あかり)氏が健闘している。彼女の戦いは、東京15区のみならず「壊滅状態に陥っている日本の保守勢力が再生できるかどうか」を占う試金石になる。

日本保守党は、ベストセラー作家の百田尚樹氏とジャーナリストの有本香氏が中心になって、昨年9月に結成された政治集団だ。そこに、名古屋市長の河村たかし氏が率いる地域政党、減税日本が合流した。今回の選挙戦は、国政への初挑戦だ。

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彼らはカネも組織も地盤もない。国会議員がまだ1人もいないので、国の政党助成金も支給されない。マスコミには泡沫候補扱いされ、世論調査でも、トップを走る立憲民主党の新人で元区議の酒井菜摘氏(共産党が支援)をはじめ、他候補に大きく引き離されていた

ところが、選挙戦が進むにつれて、ネット上で彼女の名前が連日、トレンド入りした。街頭演説にも多くの聴衆が集まったが、悪質な妨害を受けて、やむなく事前の告知をとりやめた。それでも、話を始めれば、多くの人が足を止め、耳を傾けている。最近の調査では、猛烈な勢いで支持を増やしているようだ

その理由は、なにか。

私がコラムを連載している夕刊フジは、彼女の演説を「魂の辻立ち」と評したが、まさに建前を排して、本音で斬り込む弁舌が聴衆の心をつかんでいるのは、間違いない。ときには、激しい言葉も使うが、けっして扇動ではなく、問題を根本から考え抜いた末の「論理と常識」に基づいている。だから、説得力がある。

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