2024.04.24

老後の人生を「空振り」する人には意外な理由があった…元伊藤忠商事会長が明かす「定年後を成功させるノウハウ」

元伊藤忠商事会長、そして民間人初の中国大使を務めた丹羽宇一郎さん。仕事に生涯を捧げてきた名経営者も85歳を迎え、人生の佳境に差し掛かった。『老いた今だから』では、歳を重ねた今だからこそ見えてきた日々の楽しみ方が書かれている。
※本記事は丹羽宇一郎『老いた今だから』から抜粋・編集したものです。

日記で毎日が激変

私は現在、日記を二種類つけています。一つは一〇年日記です。四〇代半ば頃から始めて、かれこれ四〇年間、熱があっても眠くても、帰宅したらその日のうちに机に向かい、毎日欠かさず書いています。就寝前の読書と同様、寝る前にそれをしないと、一日をしめくくった気持ちになれません。

一〇年日記帳は、毎年同じ日付の記録を一〇年分、一ページに書き記すもので、B5サイズで横書き、ページごとに一月一日から一二月三一日までの日付が印刷されているものが一般的です。

(PHOTO)gettyimages

そのページに、一年目、二年目……と、順にその日の行動や出来事を書いていく。たとえば今日が二〇二四年四月一日で、一年目の欄にその日の出来事を書いているとすれば、来年の同じ日には同じページを開き、二年目の欄にその日の出来事を書くわけです。一日分の記録を書き込めるスペースは六行程度しかありませんが、一ページごとに一〇年分の記録なので、日記帳全体の厚さはちょっとした単行本一冊くらいになります。

私は以前、二〇年日記帳を使っていたこともありますが、今は二〇一八年から二〇二七年までの一〇年日記帳を使っています。

その前の二〇〇八年から二〇一七年の一〇年日記を繰ると、「二〇〇八年五月三一日 今日はスポーツクラブが修理で休みだ」と書いてある。私は当時、帝国ホテルのなかにある事務所で仕事をしていました。スポーツクラブというのは、帝国ホテル内にある宿泊客専用のフィットネスセンターとプールやサウナ室のことです。この日はそこの改修工事をやっていて落ち着かなかったのか、「一時的に私も仕事を休んでゆっくりし、終日、『ビジネスウィーク』など経済誌を読んだ」と書いています。

二〇一〇年に就任した中国大使を依願退官して日本に帰国したのは二〇一二年末。翌一三年六月三〇日の欄を見ると、中華商会という中国の経済団体の副会長を招待して会っていることがわかります。

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