トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「政策金利は[50%]で据え置きか。リラ円は1年振りに雲の上」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価首位)

予想レンジ トルコリラ/円4.2-5.2

*問題山積も最安値圏で安定、円と最弱争い
*政策金利は50%で据え置きか
*約1年ぶりにリラ円は雲の上に
*シムシェキ財務相が経済政策の中心
*シムシェキ財務相=経済は正しい軌道上にあり
*4月消費者信頼感指数は改善
*IMFのトルコの成長見通しは
*通貨最弱も株価は世界でも独走状態で強い
*3月CPIは68.5%上昇
*2月鉱工業生産は力強い伸び
*大統領は5月9日に訪米
*リラは10年で10倍安
*貿易・経常赤字は改善せず
*フィッチは、トルコの格付けを「B」から「Bプラス」に引き上げ
*2023年GDPは4.5%増
*政府は2026年にインフレが一桁となると主張
*預金の4割が外貨預金であることもリラ安要因

(リラ円は4.7台で安定続く)
 3月21日のサプライズの政策金利0.5%引き上げ以降もトルコリラ円は4.7台で安定している。対ドルでも3.2台で若干リラ安といったところだ。今年の通貨競争で最下位争いをしている円とリラが並走している。
 ただリラ円は約1年振りに雲の上に出た。明るさの兆しか。

 トルコ株価指数(イスタンブール100)は、通貨とは逆に、日経平均と首位争いをしていたが、先週は日経平均が下落し差を拡げられた。4月22日終値で日経平均は11.88%高、イスタンブール100は29.11%高。

 10年国債利回りは28.935%と年初来で最高利回り。

(政策金利は50%で据え置きか)
 トルコ中銀は4月25日の金融政策委員会で政策金利を50%に据え置く見通しだ。インフレ警戒を続け、金融引き締めの政策運営スタンスを維持する。

 中銀は3月に開いた前回の委員会で、インフレ見通しの悪化を理由に利上げを再開。引き上げ幅は5%だった。その際、月次ベースのインフレ率基調に大幅な伸び鈍化が見られるまで引き締めスタンスを維持すると表明していた。
 利上げ局面は昨年6月に始まり、引き上げ幅は計41.5%。
 カラハン総裁は4月16日、ワシントンで討論会に出席し、利上げサイクルは終わり、インフレ率は年末までに36%のインフレ目標達成に向けた軌道に乗っていると述べた。
 中銀が4月19日発表した市場参加者対象の月次予想調査によると、今年末のインフレ率は44.16%となり、中銀の予想値36%を上回った。

(シムシェキ財務相が経済政策の中心)
 最近はエルドアン大統領は経済について多く語らない。金融政策についても財政政策と同様にシムシェキ財務相が話すことが多い。シムシェキ財務相が経済政策を完全にまかされているようだが、まだ目に見える結果は出ていない。

(シムシェキ財務相がIMFで語る)
シムシェキ財務相は4月18日、トルコの経済は正しい軌道上にあり、金融政策は十分に機能していると述べた。今後の政策はより支援的なものになるが、その効果を見極め、社会全体を納得させるにはさらに時間が必要との認識を示した。

 トルコ経済の構造転換の一部は新たな産業政策と合わせて進められ、「かなり透明性が高く、ルールに基づいたものになる」と説明した。
 また、製造業と貿易の追い風になり得る要因として、友好国間でサプライチェーン(供給網)を完結する「フレンドショアリング」と生産拠点を最終消費地に近いところに置く「ニアショアリング」の両面で、「トルコが最有力候補の一つ」になっている点を挙げた。
 さらに、競争力の強化、生産性の向上、投資環境の改善と並んで、インフレへの取り組みが引き続き最重要課題だと強調した。
 ソブリン・デフォルトに対する保険料の急落は、格付け会社からの前向きなコメントと相まって、投資家のトルコ経済と市場に対する信頼が回復した証拠だと解説した。

(4月消費者信頼感指数は改善)
4月消費者信頼感指数は80.5で前月の79.4から上昇した。
家計の財務状況と全般的な経済状況の12カ月見通しが改善したことを受け、2023年6月以来の最高値となった。同時に、今後12か月間の失業率に対する懸念も軽された。一方、家計の現在の財政状況や、今後12カ月間の耐久消費財への支出の検討に対するセンチメントは弱まった。また、将来のインフレに対する見方も増加した。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

2023年5月29日以来の雲の上

 日足、2023年5月29日以来の雲の上(ただ各チャートでは誤差あり)。4月12日の2σ下限から反発、2σ上限へ。雲の上。4月12日-19日の上昇ラインがサポート。4月15日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
 週足、ボリバン2σ下限で下げ止まる。中位に近づく。4月8日週-15日週の上昇ラインがサポート。4月1日週-8日週の下降ラインを上抜く。5週線上向く、20週線下向き。
 月足、2σ下限近辺で推移。1月-2月の上昇ラインを下抜く。12月-2月の下降ラインが上値抵抗。ただ今月はここまで陽線。
年足、9年連続陰線。その間52円から4円台へ沈む。去年当初は僅かに陽転していたが3月から陰転。今年1月は陽線も3月で円に抜きさられ最下位へ。

トルコリラ見通し
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メルハバ

IMFのトルコの成長見通し

 IMFはトルコの経済が今年3.1%、2025年に3.2%成長すると予想しており、前回の予想から変更はない。
 金融引き締めの終了と消費回復の始まりにより、2024年下半期には経済活動が強化されるとの見通しを示した。
 インフレ率が現在の68.5%の水準から年末には59.5%に低下すると予想している。これはIMFの前回報告書の58%からの修正であり、来年の予想は38.4%であった。
 IMFは今年の経常赤字の対GDP比を2.9%から2.8%に修正し、2025年の予想を2.2%に設定した。失業率が今後2年間で9.6%になると予想した。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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