2024.04.20
# パンダ

いつまでも忘れない…小柄で脚が短くて、めちゃかわいいパンダ!タンタンの「バレリーナ・ポーズ」

神戸で迎えた最期

神戸市立王子動物園で飼育されているメスのジャイアントパンダのタンタン(旦旦)が亡くなったのは、2024年3月31日、午後11時56分のことだった。28歳。人間でいうと、80代以上。大往生といってもいいくらいだ。

報道があったのは翌4月1日の午後だった。エイプリルフールであってほしいと一瞬思ってしまった(もしエイプリルフールであったとしても、はなはだ趣味の悪い嘘ではあるが……)。

撮影:神戸万知
 

タンタンの心臓疾患の発表があったのは、3年前。高齢なことを考えると、よくがんばってくれたのだろう。2020年に、中国への返還されることが決まった。しかし、コロナ禍とタンタン自身の体調などの影響で何度も延期となり、結局は神戸で最期を迎えることとなった。

タンタンは1995年9月16日に中国四川省で生まれた。2000年7月16日に、オスのコウコウ(興興)とともに来日した。日中共同飼育繁殖研究という目的のもとに、阪神淡路大震災で傷ついた人々を癒してくれることも大いに期待されていた。

タンタンの中国名は爽爽(スウァンスウァン)。だが、市民に親しまれるようにと神戸市が希望し、愛称を公募することとなった。

最多は、なんと「短短(タンタン)」だった。公募のパンダ紹介に、「脚がちょっと短い」と書いてあったためのようだ。ただ、「響きはかわいくても、外見に由来する漢字を当てるのはちょっと……」ということで、応募数は少なかったが同じ響きを持つ「旦旦」が採用された。

「旦」は「夜明け」を意味する。響きが可愛いのはもちろん、神戸の復興にこれほどふさわしい名前はなかっただろう。

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