なぜ組織の上層部ほど無能だらけになるのか、張り紙が増えると事故も増える理由とは、飲み残しを放置する夫は経営が下手……東京大学史上初の経営学博士による10万部突破のベストセラー『世界は経営でできている』では、「人生がうまくいかない理由」を、日常・人生にころがる「経営の失敗」に見ていく。
職場に無駄な書類があふれるとき
入りたくて入った会社でも、いつからか無意味な仕事に苦しむタイミングがやってくることがある。
〈いつだってある日突然に「○○(不思議なことに大抵はカタカナ語かアルファベットを用いた略語)対応」が会社や社会で(会社を反対にすると社会なので似たようなものだ)一大イベントとなる。
書店には「○○対応必携」「○○実務ハンドブック」などが並びお祭り騒ぎ。経理/法務/総務/人事といった普段は控えめな部署も水を得た魚、カタカナ語を得たコンサル、とばかりに八面六臂の大活躍。そして「××社流、戦略○○」というお題目が決まり役員一同ウットリ惚れ惚れというわけだ。
そこからはもう無駄な書類のオンパレードだ。〉(『世界は経営でできている』より)
『世界は経営でできている』で展開されるのは、「本当の仕事をしていない」という企業・組織で働く人々の実態だ。