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第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

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西口さん!難しいことはわかりませんが、マーケティングで一番大事なことを教えてください

【マーケティング入門第3回】顧客インタビューって必要ですか?


 現在、マーケティング領域では膨大な方法論や用語などの情報が氾濫し、初心者マーケターが知識や手法を学ぶ壁となっている。Strategy Partnersの西口一希氏は、初心者向け書籍『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』(日本実業出版社)への反響から、「さらにかみ砕いて伝えるべきだと感じた」という。本連載では、マーケティング領域に足を踏み入れて2年目のMarkeZine編集部・吉永が、西口氏にマーケティングの基本の“き”から質問。第3回では、顧客とプロダクトの間に価値が成立することを前提に、顧客理解の重要性について掘り下げる。

プロダクトのロイヤル顧客に会いに行こう

MarkeZine吉永(以下、MZ):マーケティング入門連載の第2回では、マーケティングのシンプルな定義と、WHOとWHATの関係性について解説いただきました。特に「顧客=WHO」と「プロダクト=WHAT」さえあればビジネスが成り立つ、というお話が印象的でした。

【マーケティングとは】

「顧客」に向けて「価値」を「創造」すること。

(『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』p46より改変)

『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』p48より
『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』p48より

西口:WHOとWHATはビジネスの最小単位、という話ですね。

MZ:この2つの間に生じる「価値」について詳しく伺う前に、顧客についてもう少しお聞きしたいです。特に初心者マーケターの場合、どうしても目の前の仕事や指標を追うのに必死になってしまい、この構図が頭から抜けてしまうことがあると思います。

西口:そうですよね。プロダクトにはいつも向き合っていても、顧客については意識が離れがちだと思います。ECやアプリなどオンラインのビジネスは顧客と直に接する機会がありませんし、店舗型のビジネスでもマーケターが本部にいる場合には顧客との接点は少ないでしょう。

 経験の浅い方ほど大事にしていただきたいのは、顧客に会いに行くことです。自社プロダクトを愛用されているロイヤル顧客を中心に、毎週くらいの頻度でどなたかに会うのがおすすめです。

顧客はどんな点に価値を見出しているのか

MZ:具体的には、どのようにすればいいのですか? 毎週ネットリサーチでモニターを集めてインタビューを設定するわけにもいかないですし……。

西口:そんなに難しく考えなくて大丈夫です。もちろん、しっかりインタビューの時間をいただいて聞けることが理想ですが、5~10分の会話でも得られることはあります。

 たとえば店舗型のビジネスなら店舗を訪れて、店長やスタッフが顔見知りの顧客がいたら声をかけてもらったり、社内スタッフの友人や家族にヘビーユーザーがいたら話を聞いたりできると思います。BtoBなら、営業担当者がクライアント先に行く時に同行してもいいですね。

 大事なのは、その方が「自社プロダクトのどんな点に価値を見出しているのか」をつかむことです。もし自社商品はそれほどに使っていない、競合の商品のロイヤル顧客がいたら、競合商品の何がいいのかを聞いていきます。

MZ:そのようにして「顧客に会って話を聞く」ことは、通常はあまり行われないものでしょうか?

西口:顧客を知ることの重要性には皆さん賛同されると思いますが、毎週のように話を聞いている人はほとんどいないのではないでしょうか。年に何回か、調査の一環として顧客インタビューを設定している場合も、1ヵ月以上は空いてしまいますよね。そんなふうに改まって行うのではなく、常日ごろから顧客に接していることが重要です。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/03/28 17:41 https://markezine.jp/article/detail/44642

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