2019.11.17
# ライフ

とある東戸塚の洋食店が「15年も愛され続けるワケ」

ロビンソン酒場を往く⑧

戸塚のベットタウンに15年

いま日本の人口は減少しているが、その動態には偏りがある。過疎が加速度的に進む地域がある一方、横浜市に暮らす人は増え続けている。

そのなかで、かつて日本で最も人口の多い行政区だったのは横浜市戸塚区である。その後、戸塚区は戸塚区、瀬谷区、栄区、泉区の4つの区に分離した。現在の戸塚区はJR東海道線、横須賀線の戸塚駅を中心とした一帯である。

戸塚駅から横須賀線で一駅隣の東戸塚駅も含むここは、東京、横浜のベッドタウンとして人気のエリアで人口は増え続けている。一方、前述の3区では人口が減っている。

 

そのロビンソン酒場の最寄り駅は東戸塚駅である。なんだ、そんな隆盛を誇っている駅が最寄りならロビンソン酒場でも心配あるまい、と思われるかもしれない。

だが、距離こそ駅から1キロほどだが(十分遠い)、周囲に飲食店は皆無、一軒家と畑、里山ばかりである。人通りも少なく、往来の車は少なくないが、タクシーを拾おうにもほとんど流していない。見渡しても背の高い建物は見当たらない。ハイカラな港町横浜とは、ちょっと違う。相当、違う。

そもそも、その店がある場所は謂く付きであった。

「なん軒も店が入ってはつぶれちゃったみたいで、うちも長くないだろうと言う人もいたみたいです」

笑ってふりかえるのは、その店の主人、谷島智弘さんである。長くないどころか今年15周年をむかえた。店の名はビバーチェという。しかし、何度か来てみればわかる。ここは間違いなくつづいていく。つづいていくロビンソン酒場である。

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